開発者コンソール

System X-Rayのオーバーレイ

System X-Rayのオーバーレイ

System X-Rayは、Amazon Fire TVデバイスにおけるアプリやシステム関連の問題を特定する際に役立つ開発者向けのツールです。System X-Rayはシステムの指標を瞬時に収集し、画面上にオーバーレイとして表示してくれますオンにすると、ビデオの再生中やゲームのプレイ中など、アプリが動作中であってもオーバーレイが常に画面表示されるようになります。

System X-Rayは、Fire OS(FOS)のバージョン5.0.2以降が搭載されたAmazon Fire TVおよびFire TV Stickデバイスで利用可能です。

System X-Rayの有効化

開発者ツールメニューの表示方法については、開発者ツールメニューの起動を参照してください。

有効にすると、以下のような開発者ツールメニューが表示されます。

ダイアログボックスを閉じるには、リモコンの戻るボタンを押します。

[System X-Ray][オン] に切り替えます。

System X-Rayを有効にした際の表示画面

System X-Rayをオンにすると、さまざまな情報が表示され長方形のオーバーレイが画面に現れます。

System X-Rayのオーバーレイは、アプリの切り替えや移動操作を行う際も表示され、以下の4つのセクションごとに指標情報を確認することができます。

DIS(ディスプレイ)

DIS(ディスプレイ)セクションでは、以下の情報が表示されます。

  • HDMIモード: ディスプレイの縦幅(ピクセル単位)とリフレッシュレート(1秒あたりのフレーム数)が表示されます。たとえば、「1080p 60」の表示は、ディスプレイの縦幅が1080ピクセルで、リフレッシュレート(1秒あたりのフレーム数)が60であることを意味します。
  • HDCP: HDCP(高帯域幅デジタルコンテンツ保護)のバージョンを示しています。Amazon Fire TVでは、HDMIケーブルからTVに送信されるコンテンツを暗号化する際にHDCPを使用します。

Amazon Fire TVでは、[設定] > [ディスプレイとサウンド] > [ディスプレイ] > [ビデオ解像度] の順に移動して、解像度を変更します。ただし、ネットワークやシステムリソースの状態を考慮し、ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、アプリ側でユーザーが選択した解像度を変更することもできます。たとえば、YouTubeアプリでビデオを再生する際にネットワーク接続が遅い場合、再生がスムーズに継続するよう同アプリ側で解像度を下げる場合があります。

CPU

CPUセクションでは、デバイスのコアごとにリアルタイムのCPU使用率(%)が異なる色で表示されます(各列がそれぞれ異なるコアを表します)。CPUの使用率は以下のように表示されます。

  • 0%~33%(低使用率):で表示
  • 34%~66%(中使用率):オレンジで表示
  • 67%~100%(高使用率):で表示

Fire TV Stickのようにコアが2つしかない場合は、2列のみの表示となります。

CPU使用率は、CPUを大量に消費するアプリを特定する際に役立ちます。使用率が常に高いコアがある場合、処理のマルチスレッド化を検討してください。

MEM(メモリ)

MEM(メモリ)セクションでは、AppOtherグレーAvailableで表示されます。

  • App(フォアグラウンドアプリのメモリ): フォアグラウンドアプリのメモリ使用量とそのパッケージ名が表示されます(パッケージ名はバーの下に表示)。ここでのメモリ使用量は、GPUメモリではなく、フォアグラウンドアプリのPSS(比例セットサイズ)を指します。ホーム画面の場合は、com.amazon.tv.launcherがアプリ名として表示されます。
  • Other(そのほかのメモリ): その他アプリ・システムによるメモリの使用量が表示されます。
  • Available(使用可能なメモリ): デバイスの使用可能な(空き)メモリが表示されます。

この例では、132.0MBのメモリがAmazon Fire TVランチャーに、1.2GBがその他のアプリシステムによって使用されていて、空き容量は276.2MBになっています。

メモリ情報を利用して、以下のような問題の特定に役立ててください。

  • アプリのメモリリーク
  • 過度のメモリ消費
  • デバイスのメモリ不足

NET(ネットワーク)

NET(ネットワーク)セクションでは、Wi-Fi信号の強度と、システム全体および表示アプリのダウンロード速度が表示されます。各ラベルの説明は以下のとおりです。

  • RSSI(受信信号強度): Wi-Fi信号の強度がdBm単位(無線信号の値)で表示されます。バーは信号の強度を示し、CPUセクションと同じ色分けで問題の深刻度が表されています(は強い信号、オレンジは中程度の信号、は弱い信号を意味します)。数値は常に負の数です。信号が強いほど、数値は0に近づきます。Amazon Fire TVがWi-Fiではなく有線で接続されている場合、RSSIは表示されません。
  • System(システム): 実際にデバイスにダウンロードされているデータ量(bps単位)が測定されます(表示中のアプリとバックグラウンドアプリの両方を含む)。これは、利用可能な帯域幅を示すものではありません。表示が0bpsの場合、その瞬間はデータがダウンロードされていないことを意味します。
  • Visible(表示): 表示中のアプリ(フォアグラウンドアプリ)によって実際にダウンロードされているデータ量(bps単位)が測定されます。この数値がシステムのダウンロード速度よりも高くなることはありません。

ネットワーク情報を利用して、以下のような問題の診断に役立ててください。

  • 接続の問題
  • 低速なダウンロード
  • 低品質のストリーム(メディアプレーヤーによって選択されたストリーム)

関連リソース

詳細については、以下を参照してください。


Last updated: 2024年2月6日