セグメント間文字
文字ベースのディスプレイにおいて、「セグメント間文字」は、特定の情報を表すためにオンまたはオフにできる追加要素です。これは「メイン」の文字の一部ではありません。たとえば、時計には「:」や「/」のような区切り要素があります。ディスプレイによっては、小数を表示する場合のために、すべての文字の後ろにドット（「.」）が付与されているものもあります。
セグメント間文字を表示する
APL-Tドキュメント内のセグメント間文字は通常の方法でターゲットにできますが、そのためには、それらの文字がどこにあり、何を表示できるかを開発者が把握している必要があります。たとえば、8文字の時計が表示されるデバイスがあるとします。このデバイスは、日付をYYYY/MM/DDの形式で表示できます。8文字はYYYYMMDDを指し、「/」を表示できるセグメント間文字が2文字あります。
デバイスの機能を把握している開発者は、Textコンポーネントを含むAPL-Tドキュメントを作成して、コンポーネントのtextプロパティを「2016/02/07」に設定できます。ランタイムは、「/」文字のレンダリングにセグメント間文字を使用します。
ただし、ドキュメントにセグメント間文字が（レイアウトで指定された位置に）出現しても、ディスプレイ上のその位置にセグメント間文字がない場合、該当する文字はランタイムによって無視されます。
アルゴリズム
ここでは、セグメント間文字を処理するアルゴリズムを説明します。説明では次の用語を使用します。
- 「ドキュメント文字」は、APL-Tドキュメントから取得される文字です。
- 「ディスプレイの文字スロット」は、実際のハードウェア上の位置です。前述のように、「実スロット」と「セグメント間スロット」があります。
- 「実文字セット」は、「実スロット」に表示できる文字です。
- 「セグメント間文字セット」は、「セグメント間スロット」に表示できる文字です。
ステップ1
ランタイムは、次の書き込み先となるディスプレイ文字スロットを追跡します。開始時点では、これはディスプレイの左上のスロットになります。ランタイムは、行内を左から右に進んだ後、次の行の左端に移動します。
ステップ2
ランタイムは、次にレンダリングするドキュメント文字を決定します。決定に際しては、個々のコンポーネントに指定されたレイアウトルールに従います。
ステップ3
ドキュメント文字を表示するか、スキップするか、省略するかを決定します。ランタイムは、デバイスの機能、実スロットとセグメント間スロットの位置、表示できる文字を把握しています。決定には次のマトリックスが使用されます。
| ドキュメント文字 | ディスプレイの実スロット | ディスプレイのセグメント間スロット |
|---|---|---|
| 実文字セットに含まれている | 表示 | 次のスロットに進んでステップ3を繰り返す |
| セグメント間文字セットに含まれている | 省略 | 表示 |
| どちらでもない | スペースを表示 | 次のスロットに進んでステップ3を繰り返す |
最後のスロットより後の位置に達すると、ドキュメント全体のレンダリングが停止します。
例
「NN:NN」のような数字の時刻データの表示をサポートするデバイスがあるとします。Nは0～9です。ドキュメントには「1:24」が指定されています。このコンテンツを左揃え（デフォルト）で使用すると、結果は「124」となります。これは、「:」が省略され、本来の位置に何も表示されないためです。
一方、同じコンテンツを右揃えで配置すると、「 1:24」と表示されます。
最終更新日: 2025 年 12 月 17 日