スマートホームのMatterサポートとは
Matter接続プロトコルを使用すると、スマートホームデバイスを直接Alexaに接続できます。Matterは、さまざまなメーカーによって製造されたデバイス間の相互運用を可能にするために設計されたローカルIPv6ワイヤレス接続技術です。Matterを使用すると、別途ハブやスマートホームスキルを用意しなくても、スマートホームデバイスをAlexaに接続できます。また、Matterを使用してスキル対応のデバイスから別の接続をAlexaに追加することもできます。
Matterを使用すると、Alexaがデバイスをローカルで制御できるため、レイテンシーが減少し、信頼性が向上します。Matterの詳細については、Matterのページを参照してください。
Matter対応Amazon Echoデバイスには、Matterスマートホームデバイスをシームレスに接続、制御するためのソフトウェアが組み込まれています。Echoをセットアップした後で「アレクサ、デバイスを探して」と言うか、Alexaアプリでデバイスを追加するだけで、デバイスを接続できます。Echoデバイスは、Matterデバイスを検出してAlexaにローカル接続するMatter管理者の役割を果たします。
接続オプション
Alexaは、以下のMatterデバイス接続オプションをサポートしています。
- Matter over Wi-FiまたはMatter over Threadを使用してデバイスを直接Alexaに接続する。検出およびコミッションステージの一部として、Matterデバイスは、Bluetooth Low-Energy(BLE)を使用してWi-FiまたはThreadネットワークの認証情報をAlexaに渡します。
- ACK SDK for Matterを使用してAlexa Connect Kit(ACK)デバイスをAlexaに接続する。このSDKはMatter over Wi-Fiをサポートしています。詳細については、Introducing the Alexa Connect Kit SDK for Matter(英語)を参照してください。
- Matterを使用して、スキルに接続されたデバイスから別の接続をAlexaに追加する。このオプションでは、インターネットのサービス停止中やスキルを使用できない場合でも、Alexaがローカルでデバイスを制御できます。
- Matter Multi-Admin機能を使用して、Alexaを含む複数のスマートホームプラットフォームにデバイスを接続する。
これらの接続オプションは、Matterファブリックに直接接続するネイティブのMatterデバイスと、Matterブリッジを介してブリッジデバイスとして機能する非Matterデバイスに適用されます。
仕様
2024年8月現在、Matter対応Echoデバイスは、Connectivity Standards Alliance(CSA)によって定義されるMatter 1.3プロトコルをサポートしています。これにはMatter 1.3以前のデバイスタイプのサブセットも含まれます。Echoデバイスは、Matter over Wi-FiとMatter over Threadをサポートしています。詳細については、Matter 1.3の仕様を参照してください。
Threadは、セキュリティ、信頼性、スケーラビリティを考慮して設計されたIPv6ワイヤレスメッシュネットワークテクノロジーです。IPベースのオープンスタンダードのメッシュネットワークにより、ネットワークのカバー範囲が広がり、1つのデバイスがオフラインになってもスマートホームデバイスが動作を続けられるようになります。Thread対応のAmazon Echoおよびeeroデバイスは、Threadネットワークをプロビジョニングして保護するボーダールーターとして機能します。
Alexa搭載デバイスのサポート
Matterは、以下のAmazon Echoおよびeeroデバイスでサポートされています。
次のAmazon Echoおよびeeroデバイスには、Threadボーダールーターが搭載されています。
サポートされているデバイスカテゴリーとクラスター
Alexaは、Matterデバイスカテゴリーに属する多様なデバイスタイプをサポートしています。 カテゴリーには、Matterハブ、照明とスマートプラグ、汎用ボタン、センサー、開閉装置(ドアロック、ブラインド)、サーモスタット、ファン、空気清浄機、アプライアンス(ルームエアコン、食器洗い機)、ロボット掃除機などがあります。これらのカテゴリーに属するデバイスの詳細については、Matter 1.3 Device Library Specificationを参照してください。
Matter対応Echoおよびeeroデバイスは、以下のデバイスカテゴリーのMatterクラスターをサポートします。クラスターの詳細については、Version 1.3 Matter Application Cluster Specificationを参照してください。
アプライアンス
以下の表は、アプライアンスカテゴリーのデバイスに必須のMatterクラスターと、関連するAlexa機能の一覧です。
デバイスの例 | 必須の機能 | 必須のMatterクラスター | 対応するAlexa機能インターフェース |
---|---|---|---|
食器洗い機 |
モードと運転状態の設定、アラームのモニタリング |
Dishwasher Mode、Dishwasher Alarm、Operational State、Temperature Control |
|
ルームエアコン |
電源のオン、電源のオフ、温度の設定 |
On/Off、Thermostat |
開閉装置
以下の表は、開閉装置カテゴリーのデバイスに必須のMatterクラスターと、関連するAlexa機能の一覧です。
Alexa.RangeController
を使用することを禁止しています。デバイスの例 | 必須の機能 | 必須のMatterクラスター | 対応するAlexa機能インターフェース |
---|---|---|---|
ドアロック |
ロックの設定、ロック解除 |
Door Lock | |
ブラインド(外装ブラインドや内装ブラインドなど) |
ブラインドの開閉 |
Window Covering |
暖房、換気、空調(HVAC)
以下の表は、HVACカテゴリーのデバイスに必須のMatterクラスターと、関連するAlexa機能の一覧です。
デバイスの例 | 必須の機能 | 必須のMatterクラスター | 対応するAlexa機能インターフェース |
---|---|---|---|
空気清浄機 |
温度の設定、温度・湿度・空気の質のモニタリング、風量の制御、フィルターステータスのモニタリング |
Thermostat、Temperature Sensor、Humidity Sensor、Air Quality Sensor、Fan Control、HEPA Filter Monitoring、Activated Carbon Filter Monitoring |
|
ファン |
ファンの風量の制御 |
Fan Control、Fan Controller Capability |
|
サーモスタット |
温度の設定、現在の温度の照会 |
Thermostat |
|
照明、スマートプラグ、コンセント
以下の表は、照明とスマートプラグ/コンセントカテゴリーのデバイスに必須のMatterクラスターと、関連するAlexa機能の一覧です。これらのクラスターは、デバイスのオンとオフ、明るさのレベルの調整、色の設定の管理など(適用される場合)、照明デバイスを制御するために必要な機能を提供します。
デバイスの例 | 必須の機能 | 必須のMatterクラスター | 対応するAlexa機能インターフェース |
---|---|---|---|
調光式スイッチ |
電源のオン、電源のオフ |
On/Off | |
電力調整プラグ |
デバイスの電力レベルの制御 |
Level Control | |
調光式ライト |
最小範囲と最大範囲でのデバイスの設定の制御 |
Level Control | |
ランプ |
電源のオン、電源のオフ |
On/Off | |
ランプ |
デバイスのモード設定の制御 |
Mode Select | |
ランプ |
デバイスの明るさの制御 |
Level Control | |
電球 |
1つのシーンにグループ化された複数のスマートホームデバイスの有効化/無効化 |
On/Off | |
高度なカラー制御機能付きの電球 |
デバイスの色(色相、彩度、明度)の変更 |
Color Control | |
ストリップライト |
色温度(白の色調)の変更 |
Color Control | |
電源タップ |
電源のオン、電源のオフ |
On/Off | |
電源タップ |
デバイスの設定のオン/オフ切り替え |
On/Off |
ロボティクス
以下の表は、ロボティクスカテゴリーのデバイスに必須のMatterクラスターと、関連するAlexa機能の一覧です。
デバイスの例 | 必須の機能 | 必須のMatterクラスター | 対応するAlexa機能インターフェース |
---|---|---|---|
ロボット掃除機 |
デバイスのモード設定(アイドル状態、清掃中、マッピング中など)の制御 |
RVC Run Mode |
センサー
以下の表は、センサーカテゴリーのデバイスに必須のMatterクラスターと関連するAlexa機能の一覧です。
デバイスの例 | 必須の機能 | 必須のMatterクラスター | 対応するAlexa機能インターフェース |
---|---|---|---|
空気質センサー |
周囲の空気成分のモニタリングと測定 |
Air Quality、Temperature Measurement、Humidity Measurement、Carbon Monoxide Measurement、PM2.5 Measurement、Volatile Organic Compounds Measurement |
|
接触センサー |
接触の検出とレポート |
Identify、Boolean State | |
湿度センサー |
湿度の検出とレポート |
Relative Humidity Measurement |
- |
光センサー |
領域内の光量の検出とレポート |
Illuminance Measurement |
- |
動体検知器 |
動きの検出とレポート |
Occupancy Sensing | |
煙・一酸化炭素警報器 |
煙、一酸化炭素、またはその両方の感知 |
Smoke CO Alarm、Temperature Measurement、Carbon Monoxide Measurement | |
温度センサー |
温度の検出とレポート |
Temperature Measurement |
スイッチとコントロール
以下の表は、スイッチとコントロールカテゴリーのデバイスに必須のMatterクラスターと、関連するAlexa機能の一覧です。
デバイスの例 | 必須の機能 | 必須のMatterクラスター | 対応するAlexa機能インターフェース |
---|---|---|---|
汎用スイッチ(ボタン) |
汎用スイッチ |
Switch |
Matterデバイスの開発を始める
Matterデバイスを開発するには、製品がAlexaでサポートされているデバイスカテゴリーに属していて、Matter 1.3またはそれ以前の仕様を実装することが必要です。さらに、そのデバイスカテゴリーで要求されるMatterクラスターを実装する必要もあります。詳細については、サポートされているデバイスカテゴリーとクラスターを参照してください。
Matter対応Echoまたはeeroデバイスを使用して、製品のMatter統合をテストします。AlexaがローカルWi-FiまたはThreadネットワーク経由でデバイスを検出し、制御できることを確認します。ローカルThreadネットワークでテストするには、Thread対応Echoまたはeeroデバイスが必要です。
Works with Alexa認定バッジを取得する
Works with Alexa(WWA)認定は、製品にAlexaとの互換性があることを認定するプログラムです。この認定を受けることで、使いやすいスマートホームエクスペリエンスを確実にユーザーに提供できるようになります。WWA認定プログラムの詳細については、Works with Alexa認定の概要を参照してください。
MatterデバイスのWWA認定を申請する前に、製品が該当するデバイスカテゴリーのMatterクラスターを実装していることを確認してください。WWA認定に登録する際は、これらのクラスターに対応するAlexa機能インターフェースをサポート対象機能として選択します。また、製品がオプション機能のいずれかをサポートしていて、関連するMatterクラスターを実装している場合は、製品の登録時に、対応するAlexa機能インターフェースも指定します。詳細については、サポートされているデバイスカテゴリーとクラスターを参照してください。
認定を申請するには、Matter対応デバイスがWWA認定のMatterの要件を満たしていることを確認してください。Echoまたはeeroデバイスで製品を十分にテストしたら、WWAの認定に製品を提出できます。詳細については、Works with Alexa認定の申請を参照してください。
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最終更新日: 2024 年 12 月 17 日