Appstore SDKの統合
Appstore SDKは、JavaのAndroidアプリ内でデジタル著作権管理(DRM)とアプリ内課金(IAP)を処理するための機能を提供します。Appstore SDKはFire TVやFireタブレットを対象としたアプリのほか、Amazonアプリをインストールできるサードパーティ製デバイスを対象としたアプリでサポートされています。
- Appstore SDKで提供される機能
- Appstore SDKをサポートするための最小デバイス要件
- Appstore SDKのダウンロード
- Appstore SDKへの移行
- Appstore SDKを統合する手順
- 次のステップ
- よくある質問(FAQ)
Appstore SDKで提供される機能
次の表は、Appstore SDKで現在提供されている機能の一覧です。
機能 | 説明 |
---|---|
デジタル著作権管理(DRM) | DRM(より一般的には「ライセンス検証」)は、アプリの不正コピーや配布に関する開発者の懸念に対処することを目的としています。DRMは、主に有料アプリに使用されます。アプリにAmazon DRMが適用されている場合、ユーザーがアプリにアクセスするには、Amazonアプリストアクライアント(Fireデバイスには組み込まれています)をインストールしたうえで、アプリにサインインする必要があります。アプリに統合されたDRMメソッドが、アプリの有効なライセンスをユーザーが持っているかどうかをAmazonアプリストアデバイスサービスに確認します。ユーザーがサインインしていない場合や有効なライセンスを持っていない場合、アプリは実行されません。ただし、ユーザーは、Amazonからアプリを購入することでライセンスを取得できます。詳細については、アプリへのDRMの適用を参照してください。また、DRMサンプルアプリも参考にしてください。 |
アプリ内課金(IAP) | アプリ内課金(IAP)を使用すると、ユーザーがゲームの追加ライフなどのデジタルアイテムをアプリ内で購入できるようになります。通貨、追加アクション、ライフ、ボーナスレベル、ミニゲームなどのアプリ内課金(IAP)アイテムを提供することで、ユーザーのゲーム体験を充実させることができます。また、特別なコンテンツにアクセスできるプレミアム定期購入型アイテムをアプリで提供することもできます。購入フロー、支払い処理、アプリのレシート、著作権管理の具体的な処理はIAPによって行われるため、アプリのこの課金インフラストラクチャをコーディングする必要はありません。詳細については、アプリ内課金(IAP)についてを参照してください。 |
Appstore SDKをサポートするための最小デバイス要件
Appstore SDKを使用するには、Android APIレベル14以上のデバイスが必要です。
Appstore SDKのダウンロード
Amazon Appstore SDKは、SDKのダウンロードページからダウンロードします。
Appstore SDKへの移行
Appstore SDKへの移行を参照してください。
Appstore SDKを統合する手順
Appstore SDKをAndroidプロジェクトに統合するには、次の手順を実行します。
- 手順1: Appstore SDKにパブリックキーを設定する
- 手順2(推奨): Maven Centralを使用してAppstore SDKをプロジェクトに追加する
- または代替の手順2: Appstore SDKをプロジェクトライブラリに手動で追加する
手順1: Appstore SDKにパブリックキーを設定する
このパブリックキーはアプリごとに一意で、Amazonアプリストアとアプリ間の安全な通信チャネルを確立します。開発者コンソールでパブリックキーを生成すると、対応するプライベートキーがAmazonによって生成されます。パブリックキーとプライベートキーは、ライセンス応答に署名するためのキーペアとなります。このキーのペアリングにより、アプリをインストールするユーザーが確実に承認されます。
既存のアプリにパブリックキーを設定するには、次の手順を実行します。
- 開発者アカウントで開発者コンソールにログインします。
- [アプリ&サービス] > [マイアプリ] に移動します。次に、アプリをクリックします(まだアプリがない場合は、ログインしてアプリを追加するを参照してください)。
-
アプリの新しいバージョンを作成します。アプリ名の下にある [次期バージョン] をクリックします。
重要: パブリックキーへのリンクは、新しいバージョンを作成するとき、または新しいアプリを作成するときにのみ表示されます。Appstore SDKのリリース前に新しいバージョンの作成が進行中だった場合は、既存のバージョンを完了してから新しいバージョンを作成してください。そうして初めて、パブリックキーへのリンクが表示されます(または、アプリに関するお問い合わせを送信し、次期バージョンのキャンセルをリクエストします)。 - [アプリの情報] タブに異動します。
- 右上にある [パブリックキー] をクリックします。
-
[パブリックキー] ダイアログボックスが表示されたら、AppstoreAuthenticationKey.pemリンクをクリックしてPEMファイルをダウンロードします。このファイルにパブリックキーが含まれています。
PEMファイルリンク -
AppstoreAuthenticationKey.pemファイルをコピーします。それを、Android Studioプロジェクトのapp/src/main/assetsフォルダに貼り付けます。
[Project] ビューでは、通常assetsフォルダは、app/src/main/assetsにあります。アプリにassetsフォルダがない場合は、新たに作成する必要があります。作成したら、その中にPEMファイルをドラッグします。
手順2(推奨): Maven Centralを使用してAppstore SDKをプロジェクトに追加する
Maven CentralのAmazon SDKリリースを使用すると、Android StudioでのAmazon Appstore SDKの統合と更新がより簡単になります。Maven Centralはビルドアーティファクトのリポジトリです。これらのアーティファクトは、Android Studio、およびオープンソースビルド自動化システムのGradleに直接統合できます。Android StudioとGradleを使用してアプリを開発する場合は、アプリのbuild.gradle
ファイルをセットアップすることでAmazon Appstore SDKを統合できます。この方法では、プロジェクトで常に最新バージョンのSDKが使用されます。
以下の手順を実行します。
-
開発者アカウントで開発者コンソールにログインし、アプリのパブリックキーをダウンロードします(まだこの作業を行っていない場合)。
-
Android Studioのプロジェクトに戻ります。コードに旧バージョンのAmazon Appstore SDKが含まれている場合は、そのSDKを削除します。
-
Android Studioで [Project] ビューに切り替えます。
[Project] ビュー -
appフォルダを展開し、アプリの
build.gradle
ファイルを開きます。 -
build.gradle
ファイルの依存関係セクションに、Amazon Appstore SDKを以下のように挿入します。dependencies { ... implementation 'com.amazon.device:amazon-appstore-sdk:3.+' }
注: 上の例は、メジャーバージョンが3である最新のAmazon Appstore SDKを取得する方法を示しています。このコード行では、特定のバージョンを指定することも、ワイルドカードを使用することもできます。予期しない安定性の問題が発生する可能性があるため、公開中のプロジェクトにワイルドカードを使用することは適切ではありません。ただし、最新バージョンのAmazon Appstore SDKを使用してプロジェクトのデバッグやテストを行う際は、バージョン宣言でワイルドカードを使用すると便利です。以下のように、バージョン番号の部分を
+
に置き換えると、最新バージョンを使用できます。// Amazon Appstore SDKの特定のリリースをプルし、コンパイルします implementation 'com.amazon.device:amazon-appstore-sdk:3.0.3' // Amazon Appstore SDKの最新の3.xリリースをプルし、コンパイルします implementation 'com.amazon.device:amazon-appstore-sdk:3.+' // Amazon Appstore SDKの最新リリースをプルし、コンパイルします implementation 'com.amazon.device:amazon-appstore-sdk:+'
アプリの次回ビルド時に、このメソッドによって必要なファイルがすべてプロジェクトにインポートされます。
-
プロジェクトの最上位の
build.gradle
で、Maven Centralリポジトリが定義されていることを確認します。定義されていない場合は、以下のように追加します。allprojects { repositories { mavenCentral() } dependencies { ... } }
-
プロジェクトを再ビルドします ([Build] > [Rebuild Project])。
上記の手順を実行する場合、次のセクションを読む必要はありません。
代替の手順2: Appstore SDKをプロジェクトライブラリに手動で追加する
まず、amazon-appstore-sdk-[x].jarをAndroidプロジェクトに追加します。
-
Android Studioで [Project] ビューに切り替えます。
[Project] ビュー -
appフォルダを展開し、libsを選択します(libsフォルダがない場合は、新たに作成します)。amazon-appstore-sdk-[x].jarファイルをこのディレクトリに貼り付けます。
-
アプリのbuild.gradleファイルを開き、amazon-appstore-sdk-[x].jarへの依存関係を追加します。たとえば、JARがバージョン3.0.3の場合、コードは次のようになります。
dependencies { implementation files('libs/amazon-appstore-sdk-3.0.3.jar') }
上記の名前は、使用するamazon-appstore-sdk-[x].jarバージョンに合わせてカスタマイズしてください。
複数の依存関係がある場合は、次のようにすることで、特定のJARを参照するのではなく、すべてのJARをまとめて参照できます。
dependencies { ... api fileTree(dir: 'libs', include: ['*.jar']) }
次のステップ
DRM APIとIAPを使用して、アプリ内から必要な機能を利用できるようになりました。詳細については、次のトピックを参照してください。
よくある質問(FAQ)
詳細については、次のトピックのよくある質問(FAQ)セクションを参照してください。