アプリテストサービスについて
Amazonのアプリテストサービス(ATS)は、Androidアプリをテストするためのツールです。Amazonアプリストアにアプリを申請する前に使用することで、事前に問題の有無を確認することができます。
はじめに
アプリテストサービスを利用してアプリをテストすると、Amazonや他社のモバイルデバイスとの互換性に問題を起こす一般的な問題の有無を確認することができます。また、Amazonのデバイスクラウドでホストされた仮想デバイス上で、アプリの見え方や動作の確認ができるデバイステストも利用可能になります。これまでほとんどのAndroidタブレット対応アプリが、追加の開発を必要とせずに本テストに合格しています。
テストの流れ
アプリテストサービスでは、Androidアプリに対して以下の2種類のテストを実施します。
- 互換性テスト: AndroidアプリのAPKファイルを分析し、以下の問題の有無と対策を確認することができます。
- 互換性に悪影響を与えるソフトウェアライブラリの使用の有無。また、使用されている場合に何を代わりに使用すべきか。
- Amazon APIの使用方法に関する問題の有無(必要に応じて問題の修正方法に関する参照資料の提供あり)。
- 特定のデバイスでサポートされていない機能の有無(必要に応じて適切に機能を制限する手順の提供あり)。
- デバイステスト: Amazon側でアプリの実機テストを行い、以下のタスクを実行します。
- アプリのインストールおよび起動。
- さまざまなアクティビティを特定するappXplorerを使用したアプリの調査。
- テストイベントやアプリのスクリーンショット、CPU使用率、メモリヒープ使用率、詳細ログを含む、テスト結果のEメール通知(テスト結果は、アプリのユーザーインターフェイス開発に用いられたテクノロジーによって変わる可能性あり)。
appXplorerの概要
appXplorerツールは、ユーザーインターフェイス構築時にネイティブのAndroid UIウィジェットを使用するアプリ向けに最適化されています。ただし、OpenGLやHTML5などのテクノロジーでユーザーインターフェイスを構築したアプリの場合、現行のツールでは効果的な調査を行うことができません。また、ユーザー認証を要するアプリの調査は行われず、アプリのAPKが無効な場合もデバイステストは実行されません。レベル18以上のAPIを使用するアプリの場合も、デバイステストは機能しません。
appXplorerが実機デバイスでアプリをインストール・起動・調査できない場合、ATSがアプリをテストできなかったことを通知するEメールが送信されます。テストが実施できなかった理由としては、無効なAPK、対応していないバージョンのOSやAPI、ATSの内部エラーなどが考えられます。このメッセージを受け取った場合は、アプリの互換性を確認してからアプリを再申請し、テストを受けてください。
テスト結果について
開発者アカウントにログインして、アプリのテスト結果を確認します。Amazonがテスト結果を一般公開することは決してありません。
互換性テストの結果は、90秒以内に確認することができます。デバイステストの結果確認には、アプリテストサービス上のトラフィックに応じて最大6時間を要する場合があります。appXplorerのテストにおける負荷が非常に大きい場合は、アプリの申請からテスト結果が出るまでに最大24時間かかる場合もあります。
アプリテストサービスで同じアプリを複数回、変更を加えずにテストした場合、appXplorerによるデバイステストの結果が若干異なることがあります。これは、appXplorerがさまざまなアプリフローを介して調査を行うからです。テストごとに異なるフローでアプリを調査するため、特定のアプリフローでのみ発生するクラッシュが検出されることがあります。このようなことは頻繁には起こりませんが、一部のアプリでは起こる可能性があります。互換性テストの結果に関しては、差異が生じることはありません。
アプリテストサービスを介したアプリの申請
アプリテストサービスで特定された問題を修正し、アプリがテストに合格したら、Amazonアプリストアでの公開に向けてアプリを申請することができます。アプリの申請は、テストの実行後すぐに行う必要はありません。テスト結果はAmazon側で保存されるため、準備が整ってからアプリを申請することができます。
Amazonアプリストアでは、申請されたアプリすべてに対して、Amazonのコンテンツオペレーションチームによるさらなる審査が行われます。そこで、アプリが説明どおりに動作するか、インストール後にモバイルデバイスの機能に悪影響を与えないか、ユーザーデータを危険にさらさないか、Amazon Developer Services AgreementやAmazonアプリストアのコンテンツポリシーに準拠しているかなどが確認されます。