Fire OSのユーザー補助機能について
このページでは、Amazonが提供するFire OSアプリ向けのユーザー補助機能について概要を説明します。
- アクセシビリティについて
- Amazon Fireタブレットで使用可能なFire OSのユーザー補助機能
- Amazon FireタブレットでVoiceViewをアクティブ化して使用
- Amazon Fireタブレットで拡大鏡をアクティブ化
- Fire OSのVoiceViewとAndroidのTalkBackの違い
- 関連リソース
アクセシビリティについて
アクセシビリティとは、特定の障がいを持つユーザーが製品やサービスを利用できる度合いを指します。製品やサービスのアクセシビリティが高ければ、障がいを持つユーザーがその製品やサービスを簡単かつ効率的に利用できます。
アクセシビリティの高いシステムには、主に次の3つの要素があります。
- アクセシビリティ対応アプリ
- アクセシビリティフレームワーク
- ユーザー補助機能
ユーザー補助機能とは、障がいを持つ方の作業や製品利用を支援する技術です。ユーザー補助機能の例には、目の不自由なユーザー向けの画面読み上げソフトウェアや、視力が低いユーザー向けの画面拡大ソフトウェア、歩行が困難なユーザー向けの車椅子などがあります。
Amazon Fireタブレットで使用可能なFire OSのユーザー補助機能
Fire OSは現在、Fireタブレットで次のユーザー補助機能に対応しています。
- VoiceView: 目の不自由なユーザーが、音声による出力、タッチ入力またはキーボード入力を使用して、画面のオブジェクトを操作できるようにします。
- 拡大鏡: 視力の低い人が画面を拡大して表示できます。
- 大きいフォント: ほとんどのUIのフォントサイズを大きくできます。
- 色の反転: テキストと背景に高コントラストの色を組み合わせて、Fireタブレットでコンテンツを読みやすくします。
- 色の補正: 色覚異常のあるユーザーが色を識別しやすいよう、画面の色の出力を調整できます。
- ステレオからモノラルに変換: Fireタブレットのオーディオ設定をステレオからモノラルに切り替え、片方のイヤホンから出力します。
- システムの字幕: SilkブラウザのAmazonインスタントビデオとWebビデオの字幕の外観をカスタマイズできます。
Amazon FireタブレットでVoiceViewをアクティブ化して使用
FireタブレットでVoiceViewをアクティブ化するには、[設定] > [アクセシビリティ] > [VoiceView] に移動し、VoiceViewを有効にします。または、電源ダイアログが表示されるまで電源ボタンを長押ししてから、画面を2本指で押し続けます。
FireタブレットでVoiceViewを使用するには、次のようにします。
- 画面上のアイテムをタッチし、そのアイテムにVoiceViewのカーソルを移動します。
- VoiceViewでアイテムがフォーカスされると、アイテムの周囲に緑色の枠が表示されます。
- VoiceViewのカーソルをアイテムに移動すると、VoiceViewによってアイテムの説明が読み上げられます。
- 画面の任意の場所をダブルタップすると、VoiceViewカーソルでフォーカスされているアイテムがアクティブ化されます。
また、アイテムをタッチしてVoiceViewのカーソルを移動する代わりに、右にスワイプして次のアイテムに移動したり、左にスワイプして前のアイテムに移動したりすることで、画面のアイテムすべてを連続して移動することもできます。
Amazon Fireタブレットで拡大鏡をアクティブ化
Fireタブレットで拡大鏡をアクティブ化するには、次のようにします。
- 拡大鏡が有効になっている状態で、1本の指で3回タップすると画面を拡大表示します。
- 2本の指でドラッグすると、画面が移動します。
- 1本の指で3回タップすると、画面の拡大表示が終了します。
Fire OSのVoiceViewとAndroidのTalkBackの違い
Fire OSのVoiceViewとAndroidのTalkBackは、どちらもAndroidのアクセシビリティフレームワークと連携するアクセシビリティサービスです。ただし、VoiceViewはTalkBackの単なる修正版ではなく、まったく異なるスクリーンリーダーです。VoiceViewとTalkBackには、次のような違いがあります。
- 新しいウィンドウでのフォーカス動作: 新しいウィンドウが開いたとき、VoiceViewでは画面のどこかに必ずアクセシビリティフォーカスが当たった状態になります。TalkBackでは、新しいウィンドウのどこにもフォーカスが当たりません。ユーザーが画面にタッチするまで待機し、タッチされた場所がフォーカスされます。
- 複数のウィンドウにわたるリニアナビゲーション: VoiceViewではウィンドウ境界を越えたリニアナビゲーションが可能ですが、TalkBackではできません。タブレットの下部のナビゲーションバーは、実際は3つのボタンが搭載されたウィンドウになっています。
- VoiceViewでは、左にスワイプすると、カーソルがメインコンテンツウィンドウ内の最後のアイテムに移動します。
- TalkBackでは、下部のナビゲーションバーの 戻るボタンから左にスワイプしても、ナビゲーションバーから直線的に移動することはできず、「終端」を表すイヤコンが再生されます。
- オブジェクト間の細かな移動: VoiceViewではオブジェクト間を細かく移動できますが、TalkBackではできません。 「Cat」、「Dog」、「Monkey」というタイトルの3つのオブジェクトが画面にあるとします。
- 単語ごとに移動する場合、VoiceViewでは「Cat」から「Dog」、「Monkey」へとシームレスに移動します。
- それに対して、TalkBackでは「Dog」で停止し、次の単語には移動しません。
- 同様に、文字単位で移動する場合、「Dog」の「g」に移動した後、下にスワイプして次の文字に移動しようとすると、VoiceViewでは「Cat」の「C」に移動します。TalkBackでは、テキストの終端を表す音声が再生されます。
- テキストの移動: テキストを移動する際、VoiceViewはカーソルの後にある文字や単語を読み上げますが、TalkBackはカーソルが通過した文字や単語を読み上げます。 VoiceViewの動作は、目の不自由なユーザーの多くが使い慣れているWindowsプラットフォームのスクリーンリーダーの動作と同じです。
- 画面のオブジェクトの並べ替え: TalkBackでは通常、画面のオブジェクトを、オブジェクトの左上隅の座標に基づいて、左から右に、上から下に並べ変えます。VoiceViewでは通常、画面上のオブジェクトの中心の座標に基づいて、左から右に、上から下に並べ変えます。