スマートホームカメラの開発者は、安全で高速(低レイテンシー)なリアルタイムのストリーミング機能をユーザーに提供したいと考えているのではないでしょうか。スマートホームカメラのAlexa.RTCSessionControllerインターフェースを使用すると、ライブストリーミング、双方向通信、自動ライブビューなどのエクスペリエンスをユーザーに提供できます。このたび、スマートホームライブデバッガーがAlexa.RTCSessionControllerインターフェースに対応しました。これにより、カメラ製品のメーカーは、WebRTCの実装のテストとデバッグを簡単かつ迅速に実施し、新しい機能をより短期間で市場に投入できるようになります。Blink社、Scout Alarm社、Netatmo社は、Alexa WebRTC統合プロセスのサポートにスマートホームライブデバッガーを使用する最初の企業となります。
Alexa開発者コンソールにあるスマートホームライブデバッガーツールは、Alexaスキルとスマートホームカメラのシグナリングやストリーミングサービスのやり取りで発生したイベントを表面化させることができ、WebRTCの統合を迅速にテストするのに役立ちます。このツールによって、(1)シグナリング(SDPアンサーに関連した問題、互換性のないDTLSバージョン、無効または欠落したICE候補、Lambda通信のエラーなど)や(2)メディアストリーミング (サポートされているコードまたはサポートされていないコード、メディアフローの状態など)といったWebRTCでよく見られる課題分野に対処できます。
スマートホームライブデバッガーツールをAlexa.RTCSessionControllerで使用するには、Alexa開発者コンソールのテストページに移動します。次に、ページ上部にあるデバイスのログのチェックボックスをオンにし、スマートホームライブデバッガーをオンに切り替えて、新しいセッションを作成します。
イベントを生成するには、最初に画面付きEchoデバイスなどのクライアントを設定し、スキルをAlexaにリンクさせる必要があります。「アレクサ、玄関カメラを表示して」などの発話を使用すると、発話からEchoデバイスでライブビューが表示されるまでの各手順について、デバイスログのセクションにイベントがすぐに公開されます。そして、カスタマーIDなどの重要な機密情報を除去した状態で、それらのイベントを詳しく調査できます。たとえば、詳細なJSONオブジェクトを表示し、応答を確認したり、問題や例外のトラブルシューティングを実施したりできます。JSONオブジェクトには、適切なエラーコードやメッセージが含まれているため、それらを参考にして問題を絞り込み、さらなるトラブルシューティングの対象範囲として検討できます。このため、ブラックボックスで統合やテストを行っている感じはしないでしょう。
定評のあるブランドもスタートアップ企業も、スマートホームライブデバッガーを使用すれば、Alexaスマートホームスキルを公開し、製品がWorks with Alexa(WWA)認定を受けるまでの時間を短縮できます。このセルフサービスツールにより、開発者は世界のどこにいても問題を自らデバッグすることができます。
Netatmo社は、同社で初めてとなるWebRTC対応スマートビデオドアベルを最近リリースしたばかりですが、このツールが統合作業に役立つと期待しています。「WebRTC統合のデバッグでは、これまではどこで問題が発生しているかがわからず、大変な作業となることがありました。当社のスマートビデオドアベルとAlexaの統合をより迅速に実現するために、新しいスマートホームライブデバッガーツールを活用できることを楽しみにしています」とNetatmo社の主任ソフトウェアエンジニアであるChristophe Puga氏は述べています。
スマートホームライブデバッガーツールを使ってWebRTCの統合を実現する方法については、以下のドキュメントをご覧ください。