ADBを使用してFire TVに接続する
前のトピックでは、ローカルコンピューターにFire App Builderをダウンロードし、Android Studioを使用してビルドしました。この手順では、ADBをFire TVに接続し、Fire TVデバイスでアプリを実行します。ADBを使用すると、Fire TVデバイスでアプリをビルドして実行することができます。
既にADBをセットアップしてFire TVデバイスに接続している場合は、手順E:アプリを実行するに進んでください。
- 概要
- 手順A:Amazon Fire TVでデバッグを有効にする
- 手順B:Android Debug Bridgeを設定する
- 手順C:PATHにAndroid Debug Bridgeを追加する
- 手順D: ADBを使用してFire TVデバイスに接続する
- トラブルシューティング
- 手順E: アプリを実行する
- トラブルシューティング
- 次のステップ
概要
Android Debug Bridge(ADB)を使用すると、Amazon Fire TVデバイスやAmazon Fire TV Stickに開発用コンピューターを接続して、アプリのインストール・テスト・デバッグを行うことができます。ADBを使用する前に、必ずFire TVデバイスでデバッグを有効にしてコンピューターでADBを設定してください。手順は以下のとおりです。
Fireタブレットへの接続方法については、ADBを使用してFireタブレットに接続する方法を参照してください。
基本的な手順については、次のビデオ(日本語字幕付き)で説明しています。詳細については、本ページの残りの部分を参照してください。
手順A:Amazon Fire TVでデバッグを有効にする
Fire TVデバイスに接続する前に、同デバイスでADBとデバッグの両方を必ず有効にしてください。
- Fire TVのメイン画面で [設定] を選択します。
- [端末] または [My Fire TV] > [開発者オプション] の順に選択します。
- [ADBデバッグ] を有効にします。
- [不明ソースからのアプリ] を有効にします。
- (省略可能)USBケーブルを使用してコンピューターをUSB対応のFire TVデバイスに接続する場合は、[USBデバッグ] をオンにします。USBデバッグが有効になっているときは、USBポートをほかの用途(外部ストレージ、入力デバイスなど)に使用することはできません。USBポートを再び有効にするには、USBデバッグをオフにしてください。
手順B:Android Debug Bridgeを設定する
Android Debug Bridge(ADB)は、デバイスまたはエミュレーターでAndroidアプリの実行と管理を行うためのコマンドラインユーティリティです。ADBはAndroid Studioをインストールすると使用できますが、Windowsユーザーは特別なUSBドライバーをインストールする必要があります。
Android Studioで [Tools] > [SDK Manager] の順に選択すれば、ADBがインストールされているかどうかを確認できます。[SDK Tools] タブをクリックしてから、[Android SDK Platform-Tools] を選択してインストールしてください(まだ選択されていない場合)。
Mac OS XでADBを使用する場合は、特に必要な作業はありません。
WindowsコンピューターをUSBケーブルでFire TVに接続する場合は、特別なUSBドライバーをインストールしてからADBを介してFire TVデバイスに接続する必要があります。このドライバーは、すべてのFire TVプラットフォームをサポートしています。同ドライバーのインストール手順は以下のとおりです。
- USBファイルをダウンロードしてzipファイルの内容を抽出します。
- FireDevices_Driversをダブルクリックします。
- ダイアログボックスの指示に従ってインストールを実行します。
手順C:PATHにAndroid Debug Bridgeを追加する
adbコマンドを実行しやすくするために、PATHにADBを追加する必要があります。PATH環境変数は、プログラムの実行ファイルの場所を指定するものです。ADBをPATHに追加しなかった場合、adbコマンドの実行時に、<Android SDK>/platform-toolsディレクトリに移動したうえでADBを実行する必要があります。
adb versionと入力すれば確認できます。バージョン情報を取得できれば、ADBはPATHに追加済みということです。MacでPATHにADBを追加する手順は以下のとおりです。
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          Android SDK platform-toolsディレクトリのパスを確認します。 - 
              Android Studioを起動して [SDK Manager] ボタン  をクリックします。上部の [Android SDK Location] の横にAndroid SDKの場所が表示されます。例: をクリックします。上部の [Android SDK Location] の横にAndroid SDKの場所が表示されます。例:/Users/<ユーザー名>/Library/Android/sdkAndroid Studioを初めて起動する場合、[SDK Manager] ボタンは表示されません。代わりに [Welcome to Android Studio] というプロンプトで、[Configure] > [SDK Manager] の順にクリックし、Android SDKの場所を指定してください。 
- SDKのパスをコピーして、テキストエディターなどに貼り付けます。
- 直前の手順でコピーしたパスの末尾に/platform-toolsを追加します(「platform-tools」はadb実行ファイルが格納されているディレクトリです)。
- フルパスをクリップボードにコピーします。
 
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- 
          以下のコマンドを使用して、ADBを.bash_profileに追加します。 <ユーザー名>の部分を実際のユーザー名に置き換え、パスがAndroid SDKを指定するようにしてください。echo 'export PATH=$PATH:/Users/<ユーザー名>/Library/Android/sdk/platform-tools/' >> ~/.bash_profile.bash_profileファイルは通常、ユーザーディレクトリにあります。ユーザーディレクトリは、「cd ~」(change directory)と入力して確認できます。次に、「ls -a」(list all)と入力して、非表示のファイルも含めたすべてのファイルを表示します。.bash_profileファイルが存在しない場合は、新規に作成します。そのうえで「 open .bash_profile」と入力すると、パスが一覧表示されます。bash profileにこのPATHを追加すると、 .bash_profileファイルで次のように表示されます。export PATH=$PATH:/Users/johndoe/Library/Android/sdk/platform-tools/(ただし、 johndoeの部分には実際のユーザー名が表示されます)
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          ターミナルセッションをすべて再起動して、「 adb」と入力します。PATHにADBが正しく追加されると、ADBのヘルプ情報が表示されます。正しく追加されていないと、「command not found.」と表示されます。
WindowsでPATHにADBを追加する手順は以下のとおりです。
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          Android SDK platform-toolsディレクトリのパスを確認します。 - 
              Android Studioを起動して [SDK Manager] ボタン  をクリックします。 をクリックします。上部の [Android SDK Location] の横にAndroid SDKの場所が表示されます。例: C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Android\SdkAndroid Studioを初めて起動する場合、[SDK Manager] ボタンは表示されません。代わりに [Welcome to Android Studio] というプロンプトで、[Configure] > [SDK Manager] の順にクリックし、Android SDKの場所を指定してください。 
- SDKのパスをコピーして、テキストエディターなどに貼り付けます。
- 直前の手順でコピーしたパスの末尾に/platform-toolsを追加します(「platform-tools」はadb実行ファイルが格納されているディレクトリです)。
- フルパスをクリップボードにコピーします。
 
- 
              
- コンピューターの [スタート] から検索画面を開き、「システムの詳細設定の表示」と入力します。
- [システムの詳細設定の表示] をクリックします。
- [システム設定] ダイアログが表示されたら、[環境変数] ボタンをクリックします。
- [システム環境変数](下のペイン)で [Path] を選択し、[編集] をクリックします。
- 
          次のいずれかの操作を行います。 - Windows 7または8の場合:カーソルを右端に移動し、「;」と入力してCtrl+Vキーを押し、先ほどコピーしたSDKのパスを挿入します(例:;C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Android\Sdk\platform-tools)。開いている3つのダイアログボックスを [OK] ボタンで閉じます。
- Windows 10の場合:[新規] ボタンをクリックしてこの場所を追加します。
 
- Windows 7または8の場合:カーソルを右端に移動し、「
- ターミナルセッションを再起動して「adb」と入力します。PATHにADBが正しく追加されると、ADBのヘルプ情報が表示されます。正しく追加されていないと、「command not found.」と表示されます。
手順D: ADBを使用してFire TVデバイスに接続する
ADBは、ネットワーク経由またはUSB経由で接続できます。ほとんどのFire TVデバイスはネットワーク接続のみ可能となっているため、接続方式としてはネットワーク経由の方が一般的です。
有線イーサネットまたはワイヤレス接続を使用した接続方法です。ネットワークADB接続が機能するには、コンピューターとFire TVデバイスが同じネットワーク上に存在する必要があります。また、すべてのFire TVデバイスにはワイヤレス接続の機能が備わっています。
- Fire TVデバイスとコンピューターが同じネットワーク上にあることを確認します。Wi-Fiネットワークと有線ネットワークのどちらも使用可能です。Fire TVがどのネットワーク上にあるかを確認するには、[設定] > [ネットワーク] の順にクリックしてください。
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          次に、ネットワークのIPアドレスを取得します。[設定] から、[端末] または [My Fire TV] > [バージョン情報] > [ネットワーク] の順にクリックします。画面に表示されたIPアドレスをメモしてください。 警告: [設定] > [ネットワーク] 画面からはIPアドレスを取得できません。[設定] > [端末] > [バージョン情報] > [ネットワーク] の順に進むと別の [ネットワーク] 画面があり、IPアドレスはそこに表示されています。この2つのネットワーク画面を混同しないようご注意してください。
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          ターミナルウィンドウを開きます。 Macの場合、ターミナルを開くには、Cmd+Spaceキーを押して「Terminal」と入力します。 Windowsの場合は、プログラム検索で「cmd」と入力してコマンドプロンプトを開く方法が一般的です(厳密な手順は、Windowsのバージョンによって異なります)。 
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          次のコマンドを実行します。 <ipaddress>の部分には、前のセクションでメモしたFire TVデバイスのIPアドレスを指定してください。<port>には、5555~5585の範囲でポート番号を指定できます。adb connect <ipaddress>:<port>例: adb connect 10.49.172.51:5555注: ADBがPATHに追加されていることを確認してください(PATHにAndroid Debug Bridgeを追加するを参照)。追加されていない場合は、「cd」でplatform-toolsディレクトリに移動してから、「./adb」(Macの場合)または「adb」(Windowsの場合)を使用してadbコマンドを実行する必要があります。adb connectを初めて実行すると、Fire TVの画面に「USBデバッグを許可しますか?」という画面が表示されます。 USBデバッグを許可しますか? USBデバッグを許可しない場合、Fire TVはADB接続を承認しません。[このコンピューターから常に許可する] チェックボックスをオンにして、[OK] をクリックします。 ADB接続に成功すると、ADBから次のようなメッセージが返されます。 connected to <ipaddress>:5555サーバーの停止や再起動が必要な場合は、次のadbコマンドを使用します。 adb kill-server adb start-server
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          次のコマンドを実行して、デバイスのリストにFire TVデバイスが表示されることを確認します。 adb devicesADBから次のようなメッセージが返されます。 List of devices attached 10.49.172.51:5555 device(IPアドレスが 10.49.172.51の場合)
adb devicesを実行してもシリアル番号が表示されない場合や、unable to connectというメッセージが返された場合は、ADBのトラブルシューティングを行う必要があります。
adb connect <ipaddress>コマンドを実行するだけで対応できます。コンピューターをUSB経由でFire TV Stickに接続するには、USBケーブルの一端をFire TV Stick(HDMI経由でコンピューターのモニターに接続されている状態)に接続し、もう一端をコンピューターに接続します。この接続方法はFire TV(第1世代または第2世代)でも利用できますが、その場合はA-to-AタイプのUSBケーブルが必要です。使用するFire TVデバイスにUSBケーブルポートがない場合は、代わりにネットワーク接続を行ってください。
- Windowsコンピューターを使用する場合は、USBドライバーをインストールします(Android Debug Bridgeを設定するを参照)。
- USBデバッグをオンにします。Amazon Fire TVでデバッグを有効にするを参照してください([設定] > [端末] または [My Fire TV] > [開発者オプション] の順に選択し、[USBデバッグ] をオンにします)。
- コンピューターのUSBポートにFire TVを接続します。
- 
          次のコマンドを実行します。 adb kill-server adb start-server adb devices
最後のコマンドを入力すると、ADBから次のメッセージが返されます。<serialno>にはデバイスのシリアル番号が入ります。
List of devices attached
<serialno> device
ADBの接続で問題が発生した場合は、トラブルシューティングのヒントを参照してください。
トラブルシューティング
次のようなメッセージが表示される場合があります。
unable to connect to 192.168.0.6:5555: Operation timed out
または
error: device offline
この場合は、次のことを試してください。
- Fire TVとコンピューターの両方が同じネットワーク上にあることを確認します。
- adb connect<ipaddress>でワイヤレス接続している場合は、IPアドレスが正しく入力され、必要なドット(- .)が漏れていないことを確認してください。
- Android Studioとそのほかのエミュレーター、USBケーブル接続を閉じます。
- サーバーを停止(adb kill-server)してから再起動(adb start-server)します。
- Fire TVを再起動します([設定] > [端末] または [システム] > [再起動])。
- ルーターを再起動します。
- ADBが別のサービスによってブロックされていないかを確認します。
- AndroidのAndroid Debug Bridge(ADB)全体を読みます。
- エラーメッセージをオンラインで検索します。
手順E: アプリを実行する
ADBを使用してコンピューターをFire TVデバイスに接続したら、Fire TVデバイスでアプリをビルドして実行できます。
- 前のセクションで説明したように、ADBを使用してコンピューターをFire TVデバイスに接続します。
- Android Studioで、[Run 'app'] ボタン![[Run 'app'] ボタン](https://m.media-amazon.com/images/G/01/mobile-apps/dex/fireappbuilder/fireappbuilder_runappbutton._TTH_.png) をクリックします。 をクリックします。
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    [Select Deployment Target] ダイアログボックスで [Amazon] を選択し、[OK] をクリックします。  
[Select Deployment Target] ダイアログボックスのAFTSは、Amazon Fire TV(第2世代)を表します。別のデバイスがある場合は、略語とAPIレベルが変わります。Fire TVデバイスごとに固有のビルドモデルは、Fire TVデバイスの識別で確認できます。
アプリが正常にビルドされると、Fire TVデバイスにそのアプリが読み込まれます。
ADBは、接続されたデバイスの一時フォルダでアプリをビルドすることに注意が必要です。デバイスを切断すると、アプリはFire TVで使用できなくなります。アプリをFire TVに永続的にインストールするには、そのアプリをデバイスにサイドロードする必要があります。詳細については、アプリをインストールして実行する方法を参照してください。
Fire TVでアプリを閉じた場合は、リモコンを使用して [設定] > [アプリケーション] > [インストール済みアプリケーションを管理] > [Fire App Builder] の順に選択すると、Fire TVのUIから再び起動できます。
アプリの実行時に問題が発生する場合は、以下のトラブルシューティング情報を参照してください。
トラブルシューティング
このセクションでは、よくある問題とトラブルシューティングの手順を説明します。
パッケージ名の競合による問題: アプリを実行しようとしたときにデバイスでエラーが発生する場合は、パッケージ名が競合している可能性があります。Fire TVデバイスに既に公開済みバージョンのアプリがインストールされている場合、Android Studioで開発バージョン(同じパッケージ名)をサイドロードまたは実行しようとすると、エラーメッセージが表示されます。
開発バージョンを実行する前に、デバイスから公開済みアプリをアンインストールしてください。Fire TVから公開済みアプリをアンインストールするには、[設定] > [アプリケーション] > [インストール済みアプリケーションを管理] の順に選択します。アプリを選択し、[アンインストール] を2回選択します。
ポートの指定ミス
「missing port in specification: tcp:10.12.345.67」のようなエラーが表示された場合は、接続時にIPアドレスの末尾にポート(5555)を追加してください。たとえば、adb connect 10.12.345.67:5555のように指定します。詳細については、こちらのStack Overflowのスレッド(英語のみ)を参照してください。
次のステップ
次のトピックであるアプリの動作を確認するに進んで、Fire App Builderのセットアップ、機能、アクティビティ、画面について理解を深めてください。
Last updated: 2022年6月28日

