Fire TVのユニバーサル検索・閲覧について
Fire TVのユニバーサル検索・閲覧に対応すると、アプリをインストールしているかどうかにかかわらず、ユーザーがFire TVでコンテンツを見つけることができます。カタログファイルは、メディアのメタデータをAmazonのホーム画面およびグローバル検索の結果に統合するために使用します。これにより、ユーザーによる検索や、コンテンツの詳細ページの視聴方法オプションで、コンテンツが表示されるようになります。
- ユニバーサル検索・閲覧機能を実装する理由
- コンテンツの検出
- 検索結果の統合
- コンテンツマッチ
- Fire TVホーム画面の注目コンテンツ行
- Buy Box(推奨視聴オプション)
- その他の視聴方法
- メディアの優先順位
- ユニバーサル検索・閲覧機能の要件
- プロセスの概要
- 開始の手順
ユニバーサル検索・閲覧機能を実装する理由
ユニバーサル検索・閲覧機能を実装すると、コンテンツにとって次のような利点があります。
- プロバイダーを問わずコンテンツを表示できる
- 新規顧客の獲得を促進できる
- 既存顧客を維持できる
- Fire TVのホーム画面でコンテンツが表示されやすくなる
以降のセクションでは、ユニバーサル検索・閲覧機能について詳しく説明します。
コンテンツの検出
Fire TVの検索結果(音声検索とグローバル検索のどちらでも)には、ユニバーサル検索・閲覧機能が実装されているアプリのみが表示されます。
たとえば、ユーザーが「Seabound」という架空のメディアのタイトルを検索したとします。しかし、このメディアを提供するアプリにはユニバーサル検索・閲覧機能が実装されていません。この場合、カタログに統合されていないアプリの「Seabound」というタイトルはユーザーに表示されません。ユーザーは、カタログに統合されていないアプリを明示的に起動し、アプリ独自の検索機能を使用してコンテンツを検索する必要があります。
ユニバーサル検索・検索機能を実装すると、ユーザーがアプリをダウンロードしていない場合やサービスを定期購入していない場合でも、そのコンテンツがFire TVのホーム画面の検索結果に表示されるようになります。たとえば、「Seabound」は「Streamz」(架空のアプリ)でのみ視聴できるとします。ユーザーが「Streamz」をインストールしていない場合でも、「Seabound」を検索すると、このアプリの「Seabound」というメディアタイトルが表示されます。これがコンテンツの検出にカタログ統合が不可欠な理由です。
検索結果の統合
ユニバーサル検索・閲覧機能では、重複するメディアのタイトルが1つのエントリに統合されます。たとえば、映画「Seabound」が複数のアプリで提供されている場合でも、Fire TVではそのタイトルが1つの結果に統合されます。
このような1つのタイトルに統合する機能がないと、同じメディアタイトルを複数の異なるアプリで視聴できる場合、検索結果は次のようになります。
このように、Fire TVでは、重複するインスタンスがプロバイダーごとに別々のエントリとして表示されるのではなく、1つのエントリに統合されます。メディアタイトルが統合されると、ユーザーはより多くの結果を簡単に確認できるため、コンテンツの検索性と閲覧性が向上します。
コンテンツマッチ
Amazonでは、アイテムのメタデータ(Title
やReleaseYear
など)を使用してタイトルの識別とマッチングを行います。たとえば、タイトルが同一であれば、Amazonはそれらのメディアを同じものとして識別し、検索結果でタイトルを統合します。Amazonがコンテンツを正しくマッチングできるかどうかは、開発者が提供する情報量によって変わります。
カタログファイルにアイテムの必須要素しか含まれていない場合、Amazonでマッチングに利用できるデータはTitle
のみになる可能性があります。ReleaseYear
、コンテンツのRuntimeMinutes
、TvEpisode
やMiniSeries
のエピソード番号など、特定に役立つメタデータ値が含まれていると、ユーザーがコンテンツを検索または閲覧したときに正確なマッチング結果を提供できる可能性が高まります。
Fire TVホーム画面の注目コンテンツ行
Fire TVのホーム画面には、「おすすめ映画」「おすすめTV番組」「このアプリの注目コンテンツ」など、キュレーションされたリストの行が用意されています(作品のラインアップはローテーションします)。これらの注目コンテンツの行に表示されるのは、カタログに統合されたコンテンツのみです。
「このアプリの注目コンテンツ」行を使用すると、アプリの詳細ページで推奨するコンテンツを選択できます。コンテンツカタログでRank
を指定することで、注目コンテンツの行に表示するコンテンツを指定できます。Rank
要素の詳細については、カタログデータ形式(CDF)スキーマのドキュメントを参照してください。
Buy Box(推奨視聴オプション)
ユーザーが検索結果からタイトルを選択すると、コンテンツの詳細ページが表示されます。コンテンツの下には、コンテンツを視聴するさまざまな方法が表示されます。オレンジ色でハイライトされた視聴オプションは「Buy Box」と呼ばれます。
Fire TVは、ユーザーが持っているアプリや無料トライアルの有無に基づいて、ユーザーにとって最適と考えられる視聴方法を自動的に選択し、そのタイトルをBuy Boxで推奨します。上記の例では、Streamzがコンテンツの視聴方法として最適であるとFire TVで認識されています(おそらく無料トライアルがあるため)。
ユーザーが既にStreamzアプリを持っていて、そのコンテンツの視聴が許可されている場合、[Streamzで今すぐ観る] ボタンが表示されます。
まだStreamzアプリをダウンロードしていない場合でも、Streamzの詳細ページにリダイレクトされ、そこからアプリをダウンロードできます。
その他の視聴方法
メディアを視聴する方法が複数ある場合は、次のようにコンテンツの詳細ページに [その他の視聴方法] ボタンが表示されます。
[その他の視聴方法] をクリックすると、そのコンテンツを視聴できるすべてのアプリが表示されます。この例では、「Seabound」はAmazon、Streamz、Mooveezから提供されています。
ユーザーがStreamzの [30日間の無料体験] ボタンをクリックした場合は、無料トライアルを開始するためにStreamzアプリのダウンロードを促す画面が表示されます。
メディアの優先順位
通常、メディアプロバイダーは、提供しているコンテンツがBuy Boxや [その他の視聴方法] に掲載され、お勧めとして表示されることを望みます。これらのセクションに表示されるアプリは、非公開のさまざまな要因に基づいて自動的に決定されます。基本的に、主な決定要因は、そのコンテンツを視聴する権限がユーザーにあるかどうかです。視聴権限のあるコンテンツが優先的にBuy Boxに表示されます。さらに、視聴オプションには一般に視聴方法タイプによって優先順位が付けられます。
- 無料
- 定期購入
- レンタル
- 購入
この優先順位の設定により、アプリの定期購入者には、そのアプリが最初の選択肢として表示されます。アプリがお勧めの視聴オプションとして表示されると、ユーザーに、そのサービスを定期購入している価値があると感じさせることができます。
無料のオプションがない場合は、定期購入とレンタルのオプションが提示されます。最後に、購入のオプションが表示されます。
ユニバーサル検索・閲覧機能の要件
ユニバーサル検索・閲覧機能の実装には、次の作業が必要です。
- カタログ統合: Amazonに統合されるカタログファイルに、メディアのメタデータを送信する必要があります。これについては、カタログ統合で説明しています。カタログ統合に必要な開発作業は、ユニバーサル検索・閲覧機能の実装に必要な変更をアプリに加える間に行うことができます。これら2つのプロセスは並行して実行できます。
- ランチャー統合: Fire TVホーム画面で使用されるメディアランチャーと統合されるようにアプリを構成する必要があります。これによって、ユーザーはアプリを起動せずにカタログからコンテンツを再生できます。
- TV入力フレームワークの統合: リニアコンテンツをFire TVの番組表およびFire TVのホーム画面の [放送中のチャンネル] 行に表示するには、TV入力フレームワーク(TIF)を組み込む必要があります。
- 統合のテスト: ランチャーと統合するようにアプリを変更したら、アプリを再公開する前に統合をテストします。
これらのタスクを完了するには、Androidの開発経験を持つ開発者が、アプリにFire TVランチャーを統合する必要があります。
ランチャーとは、アプリ、設定、ナビゲーションを整理してまとめたホーム画面UIを指します。デバイスのオペレーティングシステムの一番上にあるUIです。Androidランチャー(Androidアプリで使用されるもの)とは異なり、Fire TVランチャーは、Fireデバイスでデフォルトで使用されるランチャーです。
プロセスの概要
ユニバーサル検索・閲覧機能の統合プロセスについては、以下の手順で詳しく説明します。
開始の手順
ランチャーとの統合を開始するには、手順1: アプリにFire TVランチャーを統合するを参照してください。
Last updated: 2022年1月20日