スキル内課金をデザインする

適切なプレミアムコンテンツの提供

プレミアムコンテンツと無料コンテンツ

プレミアムコンテンツを提供する前に、ユーザーに何を提供したいのかを考えてみましょう。収益化の要件の1つに、「スキルは何らかの無料コンテンツを提供しなければならない」というものがあります。ということは、無料コンテンツとプレミアムコンテンツの線引きをどこにするかを決める必要があるということです。

プレミアムコンテンツを既存のスキルに追加するか、新しいスキルを作るのかにかかわらず、ユーザーを買う気にさせる魅力的なデザインにすることが重要です。

既存スキルにプレミアムコンテンツを追加する場合、Amazonでは、既に提供している無料コンテンツを有料化することは認められていません。無料コンテンツとして公開したコンテンツは永久に無料で提供する必要があります。スキルの認定を申請する際、スキル内課金の認定ガイドに準拠していることを確認してください。

Seattle Super Triviaでは、「フリーファイブ」と呼ばれる1日5問のトリビアクイズを無料で提供することにしました。

ユーザーにとってのメリット:

  1. スキルの使い方を学習できる。
  2. ゲームを体験できる。
  3. 別のクイズにも挑戦したくなる。

開発者にとってのメリット:

  1. コンテンツでユーザーを引き付ける。
  2. ユーザーとの間に信頼を築く。
  3. 別のクイズにも挑戦したいユーザーの望みを叶える。

毎日無料コンテンツを提供し続けることが、ユーザーを引き付け、課金につながるチャンスとなります。このコースの後半では、プレミアムコンテンツの購入をユーザーに提案する方法やタイミングについて紹介します。

無料コンテンツの一環として無料体験版を提供することも可能です。その場合、ユーザーが同意すると、すぐに登録されてプレミアムコンテンツを体験できます。体験期間が終了すると、ユーザーがキャンセルするまで自動的に課金が継続されます。

プレミアムコンテンツの種類

魅力的なプレミアムエクスペリエンスを提供するために、まずは、ユーザーに提供可能なエクスペリエンスの種類を理解しましょう。これらはスキル内に組み込んで使うことから「スキル内課金」と呼ばれます。スキル内課金により、ユーザーはデジタル「商品」を購入できるようになります。スキル内課金には3つの種類があります。

  1. サブスクリプション型
  2. 買い切り型
  3. 消費型

スキル内課金が3種類あることがわかったので、次はSeattle Super Triviaでどのように使い分けられているかについて学んでいきましょう。

スキル内課金は、スキルに関連するデジタル商品にのみ利用できます。物理的な商品(釣り竿、濾過フィルター、テントなど)を提供する場合は、Amazon Payを使います。このコースで扱うのはデジタル商品のみですが、物理的な商品の提供についてはAlexaスキル向けAmazon Payの概要に記載しています。

サブスクリプション型

概要: ユーザーは定額料金を支払うことでコンテンツにアクセスできます。キャンセルするまで有効です。

ユーザーは定額料金を支払っているため、定期的にコンテンツが更新されることを期待しています。提供するコンテンツは、サブスクリプション型の次のベストプラクティスを少なくとも1つは満たせるようにしましょう。

  1. 十分な量のコンテンツを含むカタログを用意する
  2. 期限内にすべてを消費しきれない量のエクスペリエンスを提供する
  3. 定期的にかつ頻繁にコンテンツを更新する

Seattle Super Triviaでの活用例: 無料エクスペリエンスとして毎日5問ずつのトリビアクイズ「フリーファイブ」を出題します。サブスクリプションのプレミアムエクスペリエンスとしては、週末を含む毎日5問ずつの追加クイズ「ハイファイブ」にアクセスできるようにしました。

毎日新しいコンテンツを途切れることなく提供するという点で、このサブスクリプションは3つのベストプラクティスをすべて満たしています。

買い切り型

概要: ユーザーはスキルのコンテンツや機能を購入できます。購入したコンテンツや機能に有効期限はありません。

買い切り型で提供するコンテンツでは、次のベストプラクティスのいずれかを満たせるようにしましょう。

  1. 価値を提供する
  2. エクスペリエンスを練り直すか、強化する
  3. ユーザーが繰り返し使いたくなる工夫をする

Seattle Super Triviaでの活用例: 「シアトルの歴史」パックや「シアトルの有名人」パックなど、コンテンツのライブラリに追加するテーマ別クイズパックを提供することにしました。ユーザーは挑戦したいときにいつでもこれらのパックにアクセスしてクイズに答えることができます。

結果として、 サブスクリプション型と同様、3つのベストプラクティスすべてを満たすことができました。

3つすべてを満たす必要はありません。最も重要なのは、ユーザーがお金を出してでも手に入れたいと思うコンテンツやエクスペリエンスを提供することです。

消費型

概要: ユーザーはコンテンツや機能に何度も課金して、消費できます。

次のようなケースで最もよく使われます。

  1. 一時的な機能強化
  2. 一時的なコンテンツ追加

Seattle Super Triviaでの活用例: ユーザーが行き詰まってしまったときにヒントを提供することにしました。ヒントはプレイに必須ではありませんが、ユーザーが答えに迷っているときに正解へたどり着く方法を提示します。

消費型アイテムは、エクスペリエンスに必須のものではなく、あくまで補助としてデザインしました。課金しなければ勝てないとユーザーに感じさせたくないからです。

無料コンテンツとプレミアムコンテンツの区別は明確に

既に述べたとおり、スキルが認定に合格するには何らかの無料コンテンツを提供しなければなりません。無料コンテンツは、コンテンツのプレビューとしてユーザーを引き付けるきっかけになります。十分な無料コンテンツを提供してユーザーの信頼を獲得し、ユーザーは好奇心をかき立てられることでスキル内課金の提案に対して「はい」と言わずにはいられなくなります。無料コンテンツと有料コンテンツの割合に決まりはありません。スキルの内容によって異なるため、無料コンテンツの最適なバランスを見きわめるようにしてください。無料コンテンツの量が多すぎると、ユーザーはプレミアムエクスペリエンスを購入したいと思わなくなるかもしれません。

 

Seattle Super Triviaをデザインするとき、次の4つの質問をして何を無料で提供するかを決めました。

  1. ユーザーがスキルを経験し、機能を理解するのに必要なコンテンツの量はどれくらいか?
  2. ユーザーがほかのデジタルプラットフォームで購入しているのは、どのような種類のコンテンツか? 有料コンテンツを提案する前にどれくらいの無料コンテンツを用意するべきか?
  3. ユーザーはどんなコンテンツを有益で楽しめると感じ、お金を払ってでも続きを見たいと思うか?
  4. プレミアムコンテンツへのアップセルでユーザーエクスペリエンスにどのような影響があるか?

これらの質問は、Seattle Super Triviaで提供する無料コンテンツとプレミアムコンテンツを区別するのに役立ちました。コンテンツをどう分類したかについて、次の表にまとめました。

コンテンツ

種類

備考

フリーファイブ

無料コンテンツ

1日に5問の無料クイズです。1回のセッションは短くても、覚えてもらうには十分な量にします。バランスが重要です。1問では少なすぎ、多すぎると課金してくれなくなる可能性があります。

ハイファイブ

サブスクリプション型

1日に5問のボーナスクイズにアクセスできます。

テーマ別トリビアパック

買い切り型

すぐに終わってしまうエクスペリエンスを好まないユーザー向けのテーマ別パックです。

追加のヒント

消費型

ゲームをプレイし続けるための救命具的な位置づけです。勝つために絶対に必要というわけではありません。

ここでは、その日のクイズは何回でも再プレイできるようにしました。ただし、再プレイはスコアには影響しません。そうすることで、プレイヤーの家族もスキルのコンテンツを楽しむことができます。

何を提供するかを決めたら、次は価格について検討します。

価格を設定する

コンテンツの価格は、提供するスキル内課金の種類によって変わります。下の表は、種類ごとの最低価格と最高価格を表しています。

表1. コンテンツの種類ごとの価格設定

サブスクリプション型

買い切り型

消費型

$0.99~$99.99

$0.99~$99.99

$0.99~$9.99

コンテンツの料金を決める際は、課金することでどのようなエクスペリエンスが手に入るのか、そのエクスペリエンスはどのくらいの期間続くのかという点から検討します。ゲームの場合ならプレイする時間、ラジオサービスのサブスクリプションなら想定される総傾聴時間を検討するとよいでしょう。

検討事項:

  • 継続的に利用される価値はどのくらいか? 1回? 複数回? 無限に再プレイが可能?
  • コンテンツを楽しめる期間はどのくらいか?

提供するプレミアムコンテンツを決めたら、次はユーザーにどう提示するかを検討しましょう。準備ができたら、下のリンクをクリックしてください。