パーソナライズする
ユーザーだけの情報を提供して親しみやすさを高めるなど、ユーザーにパーソナライズされた体験を提供すると、スキルを使ってよかったと思わせることができます。開発しているスキルの内容に応じて、個別にパーソナライズの程度を調整できます。会話を進める上では、ある程度ユーザーから情報を収集する必要があります。その際にどのような情報を集めて保存するのか、また個々のセッションが完了したらどの情報を破棄するのかを決める必要があります。
パターンと事例
新規ユーザーと2回目以降のユーザーを識別する
ユーザーが具体的なリクエストなしでスキルを呼び出したら(「アレクサ、[スキル名]を開いて」)、スキルはようこそメッセージとプロンプトを出して、ユーザーが応答できるようにします。ようこそメッセージは複数用意してください。初めてスキルを呼び出したときのメッセージ、2回目以降のメッセージ、パーソナライズしたメッセージなどです。ようこそメッセージに続けて、ユーザーに何をしたいかをたずねるプロンプトを出します。スキルの基本機能を活用できるような、さまざまなセリフを含めることも検討してください。
たとえば、スキルに初めてアクセスしたユーザーに対しては、スキルで何ができるかを紹介して、Alexaとユーザーとの会話を構成するとよいでしょう。何回目かの呼び出しの後は、ユーザーへのあいさつを短めにして、ユーザーが望むやり取りにすぐ入れるようにします。
スキルを初めて使用するとき
「アレクサ、お菓子フレンドを開いて」
「お菓子フレンドへようこそ。おいしいお菓子、クッキー、デザートを作るレシピを見つけるお手伝いをします。今日は何を作りますか?」
2回目以降
「アレクサ、お菓子フレンドを開いて」
「お菓子フレンドへお帰りなさい、太郎さん。前回はカップケーキを作りましたね。今日は何を作りますか?」
スキルの使用を通じて情報を取得する
先ほどの例では、Alexaがユーザーを名前で呼ぶようになったことにお気づきでしょう。こうした情報を会話の流れの中でたずね、ユーザーのプロファイルに保存しておくことができます。このようにエクスペリエンスをパーソナライズすることで、ユーザーはスキルの利用を重ねるごとに気持ちよくAlexaと会話できるようになります。
パーソナライズは、スキルがユーザーにたずねた情報だけが対象ではありません。ユーザーとスキルのやり取りをもとに、その後のAlexaの発話を新たに作成することもできます。たとえば、フィットネス系のスキルで、目標に向けた進捗状況を確認できるとします。そのスキルは、ユーザーが定期的に行うエクササイズに関する情報を取得することができますので、ユーザーがスキルに戻ったときに、Alexaはユーザーが自己最高記録に達したかどうかを知らせることができます。
状況に応じたセリフを使用する
スキルを何度も使ううちに、ユーザーは次第に慣れて、スキルの流れを覚えます。それに応じてAlexaのセリフを短く具体的にしたり、利用頻度に応じた返答を返したりしてください。
例として、音楽レッスンスキルでのやり取りのバリエーションを次に示します。
ユーザーの位置情報にアクセスする
位置情報にアクセスするには、ユーザーからの許可が必要です。ユーザーの位置情報は、ユーザーが現在使用しているAlexa搭載デバイスを登録した住所に基づいています。ユーザーが特定のスキルに位置情報へのアクセスを許可すると、デバイス位置情報APIがユーザーの住所を提供します。このAPIが提供する住所は、番地までの完全な住所である場合もあれば、国と郵便番号のみである場合もあります。ユーザーの位置情報を知ることは、スキルにおいて、あいさつ(おはようございます、おやすみなさい)や地図、出前の注文、公演時間の検索などといったサービスをパーソナライズするのに役立ちます。ユーザーの情報を適切に入手するためのアカウントリンクやその他の方法の詳細については、アカウントリンクとはおよびスキルで使用するためにユーザーの連絡先情報をリクエストするを参照してください。
スキルの終了後にセッションを再開する
スキル内での進捗状況を追跡することで、ユーザーの状況を把握することもできます。たとえば、ユーザーがレシピの材料を聞いている途中でスキルを終了したとします。ユーザーがスキルを再開したとき、Alexaは、前回途中で終了したところからやり直すかどうかをたずねることができます。Alexa: 「『ポーチドサーモンのハーブ添え』のレシピを再開します。もう一度、材料を読み上げましょうか?」