ユーザーのスキルエクスペリエンスをパーソナライズするための新機能

Mohit Mittal Sep 25, 2020
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Alexa Live Personalization News
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※このブログは、New Features Help Developers Personalize Customer Skill Experiences の翻訳です。

このたび、魅力的なユーザーエクスペリエンスの構築に役立つ新しいパーソナライズ機能が発表されました。今回発表されたAlexaアプリから開始するアプリ間アカウントリンク(GA)を使用すると、ユーザーはわずか2回の簡単なタッチ操作で、スキルを有効にして、自身のAlexaアカウントとサービスのアカウントをリンクできます。さらに、Androidアプリから開始するアプリ間アカウントリンク(GA)も利用可能になりました。ユーザー情報のリクエストには、Person Profile API(GA)を使用できます。このAPIを活用すると、よりパーソナライズされたユーザーエクスペリエンスの提供が可能になります。ユーザーが許可すれば、ゲームのリーダーボードを作成したり、注文したフードデリバリーの最新状況をテキストメッセージで通知したりすることができます。また、アクセス制限(プレビュー版)を使用して、スキルを利用している音声プロフィールを確認することもできます。ユーザーからスキルにリクエストが送られたときに、音声識別と個人用パスコードを使用してユーザーの確認を行うことをリクエストできます。

Alexaアプリから開始するアプリ間アカウントリンク(GA)がリリース

Alexaアプリから開始するアプリ間アカウントリンクが、すべてのロケールのAlexaアプリで利用できるようになりました。iOSアプリから開始するアプリ間アカウントリンクは昨年発表されていますが、今後、ユーザーがアカウントリンクを行う際に、Alexaアプリから開始するアプリ間アカウントリンクも使用できます。 モバイルデバイスにAlexaアプリとサードパーティアプリの両方がインストールされていれば、ユーザーはわずか数回のタップ操作で、Alexaモバイルアプリからアカウントをリンクできます。ユーザーがスキルを使うときに必要な手順が少なくなり、アプリにアカウントの認証情報を再入力する必要もありません。

ワークフローの例:
App-to-App Account Linking From the Alexa App

これまで、ユーザーがAlexaアプリから自分のサービスアカウントにAlexaアカウントをリンクするには、サービスの認証情報の入力が必要でしたが、今後はAlexaアプリを開いてスキルの詳細ページに移動し、有効にして使用するをクリックするだけで済みます。クリックするとアプリが起動し、アカウントリンクリクエストへの同意を促すプロンプトが表示されます。

この機能は、eWeLinkTuya Smartで既に実装されており、SpotifySmart LifeVIZIOでも現在実装が進められています。

「アプリ間アカウントリンク機能は、当社のアプリとAlexaアプリの両方から開始できます。どちらから開始しても、お客様は2ステップの簡単なフローで、TuyaアカウントをAlexaにリンクすることができます。このアプリ間アカウントリンクの実装以降、スキルでのアカウントリンクの成功率は上がっています」(Tuya社、共同創立者兼COO、Alex Yang氏)

Androidアプリから開始するアプリ間アカウントリンク(GA)も利用可能に

iOS向けのアプリ間アカウントリンクは昨年リリース済みですが、今回、Androidアプリから開始するアプリ間アカウントリンクもすべてのロケールで利用可能になりました。
これからは、Androidユーザーもわずか数回のタッチで、アカウントをリンクしてアプリから直接スキルを有効にできます。

ワークフローの例:
App-to-App Account Linking From the Alexa App

ユーザーが新しいサービスやデバイスをセットアップする際に、アプリからアカウントをAlexaとリンクするよう、ユーザーに促すことができます。また、アプリ内のさまざまな場面でリンクオプションを表示して、Alexaスキルの認知度を高め、ユーザーの獲得につなげることも可能です。ユーザーがサードパーティアプリからアカウントのリンクを選択すると、Alexaアプリが自動的に起動し、アカウントリンクのリクエストに同意するよう促します。リクエストに同意すると、ユーザーはサードパーティアプリにリダイレクトされます。ユーザーがAlexaアプリにサインインしていれば、サードパーティアプリやAlexaアプリのアカウント認証情報を覚えておかなくてもアカウントをリンクできます。ユーザーがAlexaアプリをインストールしていない場合は、Login with Amazon(LWA)機能を引き続き使用できます。

eWeLinkTuya SmartSmart LifeSmartThingsRATOCHomeLinkのAndroidアプリには、アプリ間アカウントリンク機能が既に追加されています。ASUSTP-Link Routerも現在対応を進めています。

「eWeLink-Smart Homeアプリでアプリ間アカウントリンクをご利用いただくと、eWeLinkのお客様はセットアッププロセスとリンクプロセスを同時に完了させることができます。ユーザビリティ機能が向上したことで、統合プロセスが簡素化され、お客様への機能説明なども容易になりました」(CoolKit Technologies社CTO、Michael Hu氏)

「HomeLinkアプリをご利用されるお客様が、より簡単にHomeLinkスキルを見つけてアカウントリンクできるようになり、リンクジャパンのスマートホーム製品をAlexaから声でお使い頂けるようになりました。」(株式会社リンクジャパン代表取締役、河千泰進一氏)

なお、ASK開発者コンソールのレポートページにあるスキルの有効化セクションでは、アプリ間アカウントリンクのエクスペリエンスによるアカウントリンク完了率の向上についても、スキル開発者が追跡できるようになっています。

Person Profile API(GA)でユーザーエクスペリエンスをさらにパーソナライズ

Person Profile APIがすべてのロケールで使用できるようになりました。ユーザーが許可すれば、このAPIを使用して追加のプロフィール情報(ユーザー名や電話番号など)をリクエストし、その情報に基づいてユーザーとの対話をパーソナライズできます。このAPIとユーザーの許可があれば、スキルのパーソナライズ機能を実装している場合、スキルでパーソナライズされたエクスペリエンスを提供し、Alexaの音声プロフィールを活用してユーザーごとにエクスペリエンスをカスタマイズできるようになります。

既にこの機能を統合し、カスタマイズされた快適なユーザーエクスペリエンスを提供しているスキルとしては、ChatterDaily Fashion AdviceKeep Countなどがあります。たとえば、Chatterはユーザーに携帯電話番号をリクエストして、体感型ストーリーの主要部分をテキストメッセージでお知らせしています。

Person Profile APIを使用すると、以下のような情報を取得する許可をユーザーにリクエストするようにスキルを設定できます。

  • 姓名
  • 名前のみ
  • 携帯電話番号

スキルからユーザーの連絡先情報のリクエストがあると、Alexaアプリは、音声プロフィールに関連付けられた連絡先情報へのスキルのアクセスを許可するよう促します。ユーザーがスキルと対話すると、AlexaはpersonIDとapiAccessTokenをスキルのバックエンドロジックに送信します。personIDとapiAccessTokenは文字と数字で構成される文字列で、個人を特定できる情報は含まれていません。スキルはこのapiAccessTokenを使用して、Person Profile APIを呼び出し、ユーザーのプロフィール情報を取得できます。ユーザーがまだスキルに権限を付与していない場合は、スキルから特別な権限カードを表示して、ユーザーに同意を求めることができます。

ユーザーが権限を付与すると、スキルはPerson Profile APIを呼び出して、音声プロフィールに関連付けられた連絡先情報をリクエストできます。これらの権限は、ユーザーが設定するまではデフォルトで無効になっています。ユーザーは、AlexaアプリまたはAlexaプライバシー設定からスキルの権限を随時管理し、いつでもスキルのパーソナライズ設定をオフにすることができます。スキルのパーソナライズ設定がオフの場合や、音声が識別されない場合に、Alexaがスキルのリクエストに対してpersonIDを送信することはありません。したがって、apiAccessTokenを使用してPerson Profile APIからユーザーの連絡先情報を取得することもできません。この場合は通常どおり、ユーザーが権限を削除した場合に備えて、代替となるユーザーエクスペリエンスを用意しておく必要があります。

Alexaスキルを利用しているユーザーを確認できるアクセス制限(プレビュー版)

アクセス制限(プレビュー版)は、en_USロケールで使用できます。このプレビュー版への参加をご希望の場合は、こちらのフォームからお申し込みください。対象に選ばれた場合は、Amazonからご連絡いたします。

アクセス制限を使用すると、発話者に個人用パスコードを尋ねることで、音声プロフィールが設定されているどのユーザーがAlexaスキルを利用しているかを確認することができます。これにより、ユーザーごとにカスタマイズされたスキルエクスペリエンスを容易に提供できるようになります。たとえば、食料品の注文スキルで、特定の注文をパスコードで保護できるオプションを提供すると、注文時にAlexaによる音声識別と個人用パスコードの確認が必要となります。

対話例:

親: アレクサ、カリフラワーと芽キャベツを注文して

Alexa: わかりました。まず最初に、本人確認が必要です
Alexa: 個人用パスコードを教えてください

親: 2、4、8、6

Alexa: ありがとうございます。カリフラワーと芽キャベツを食料品の注文に追加します

子: アレクサ、ピザを10枚注文して

Alexa: まず最初に、本人確認が必要です

Alexa: 個人用パスコードを教えてください

子: えぇ...

Alexa: すみません。パスコードが違います

スキルのアクセス制限を必須にするかどうかは、開発者側で選択できます。アクセス制限を必須にした場合、ユーザーはスキルを有効にして、Alexaアカウントとサービスのアカウントをリンクする前に、Alexaアプリで個人用パスコードを設定する必要があります。ユーザーがリクエストを行った際に、設定された個人用パスコードを尋ねることで本人確認ができます。オプションにした場合は、リンクされているアカウントでアクセス制限を有効にするかどうかをスキルのユーザーが選択できます。

設定例:

ユーザーは、スキルの設定ページからアクセス制限を有効にできます。ユーザーが音声プロフィールを作成していない場合や、個人用パスコードを設定していない場合は、リンクされているアカウントのアクセス制限を有効にする前に、設定プロセスを完了するよう求められます。

App-to-App Account Linking From the Alexa App
参考リンク

Alexaアプリから開始するアプリ間アカウントリンク:ドキュメント

Androidアプリから開始するアプリ間アカウントリンク:ドキュメント

Person Profile API:ドキュメント

アクセス制限(プレビュー版):参加を申し込む

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