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「ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!」開発者が語る、 IPタイトルのプロモーションにAmazonを活用する理由 〜Voice of Developers Vol.1〜

Nanaho Nishiyama Apr 12, 2018
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Case study
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スマートフォンゲームでよく話題に上る「IPコラボレーション」や「IPもの」。原作アニメやキャラクターの人気が高ければ高いほど注目を集めやすい一方で、ファンからの期待に応えるのは一筋縄ではいかないはず。

今回訪問したのは、人気アニメ「ガールズ&パンツァー」のスマートフォンアプリの開発・運営を手がけるGamegate社。Amazonアプリストアにアプリを公開してくださっている開発者さまの体験談として、アプリ開発上のこだわりや、AmazonとIPコンテンツを上手く活用した施策などについてお話を伺いました。

 

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細野 博孝氏(ほその ひろたか)

株式会社ゲームゲート CEO。

システムエンジニアからコンテンツ業界に転身後、国内外のオンラインゲーム及びアニメビジネスに従事し、2011年ゲームゲート創業。
アジアを中心に幅広くコンテンツビジネスを展開する。
 

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板東 真文氏(ばんどう まさふみ)

株式会社ゲームゲート 企画営業部マネージャー。

前職にてアニメIP関連携帯サイトの企画・運営を担当し、アニメIPのデジタルコンテンツを多数手がける。その後同会社にてオンラインゲームのプロモーション業務に従事した後、2014年にゲームゲートに入社。
 

◆スマートフォンアプリ「ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!」について

ー まず、アプリの簡単なご紹介をお願いします。

板東(敬称略):「『ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!』というスマートフォンアプリを運営しています。TVアニメの『ガールズ&パンツァー』をモチーフにしたゲームで、2015年11月にiOSとAndroidで最初にリリースをしました(Amazon版は2017年5月)。

 

テレビアニメ自体は2012年から放送されています。劇場版のガールズ&パンツァーが2015年11月から上映されたのですが、ゲームはその時期に合わせてリリースされた形です。ガールズ&パンツァーのアプリなので、戦車にガルパンのキャラクターを乗せ、チームを編成して戦うゲームになっています。

 

 

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※ 戦車を使った武道「戦車道」が華道や茶道と並んで大和撫子のたしなみとされている世界 ー「ガールズ&パンツァー(略称ガルパン)」は、戦車道に打ち込む女子高生たちの成長や友情を描き、日本の男性中心に多くのファンからの人気を集めるTVアニメ。

 

ー ゲームならではの良さはありますか?

板東:「ゲームならではの点で言うと、アニメには登場しないオリジナル衣装を着たキャラクターを多数登場させています。

 

また、学校の垣根を超えてキャラクターを編成することができ、戦車も好きな戦車を選べるので、ファンの方にとってはドリームチームを作ることもできます。2周年を過ぎた今でも、多くの方に長く遊んでもらえています。」

 

 

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ー IPを活用したゲームの場合、ファンからの反応が分かれやすいですよね。すごく受け入れられたり、逆にすごく嫌悪されてしまうこともあると思います。御社の場合、開発段階で何を意識されましたか?

板東:「やはり、まずはアニメファンの方が受け入れてくれるかどうかですよね。ゲームの中でも、アニメの世界観・設定の面は基本忠実に再現しつつ、プラスアルファでアニメでは見れないようなイラストを見せていくようにしました。あとは、アニメの戦車戦をスマホでどう表現するかには気を付けて開発してきました。」

◆開発裏話 ー Amazon版アプリリリースについて

ー Amazonアプリストアでリリースされて、もうすぐ1年ですね。売上・ユーザーさまからの反響など、率直な感想を教えてください。

板東:「Amazonに出したのが2017年5月末ですよね。一番大きく言えるのは、戦車魂(使用することで、ガチャなどをプレイすることができるゲーム内アイテム)を購入してくださったユーザーさまの中で、ユーザー数の比率から比べるとAmazonユーザーさまの割合が大きいこと。また、そういったユーザーさま1人あたりの購入数が他のプラットフォームより大きいことだと思います。」

細野:「戦車魂の購入率に関しては他プラットフォームの2倍以上はあると思います。」

 

板東:「売上で言うとプロジェクト全体の10%くらいを占めていますね。」

 

細野:「あと、Amazonに関してはリセマラが少ない印象があります。」

 

 

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ー ユーザーさまからの反応はどうですか?

板東:「Amazonではコインバックキャンペーンがあるので、コインバック関連の問い合わせや意見が多いですね。あと、Amazonのユーザーさまに関しては、Amazonのサービスを元々使っていることを感じます。『Fireタブレット持ってたんですけど、ガルパン出てるの知ってやり始めました』みたいな一言が入ったり。

 

問い合わせ内容自体が他のOSと大きく異なるわけではないのですが、Amazonを普段から使ってる方なんだなと節々に感じることがありますね。そういった方が、うまく戦車道大作戦に結びついてくれたのが印象的です。」

 

ー 開発者目線では、その他何か良いなと感じられたことはありますか?

細野:「戦車魂の購入以外の部分でいうと、あとはプロモーションでしょうか。『ガルパン祭り』を実施したり、ガルパンのDVD・Blu-ray購入者にAmazonコインのキャンペーンを告知したり、ゲームユーザーさま以外の取り込みに協力してもらえるのが大きいところかと思います。『ガルパン祭り』を実施した2017年11月のアプリの売上は、Amazon版のローンチ直後と同じくらいの売上になっています。」

板東:「確かに、『ガルパン祭り』の前月と比べると新規登録者が10倍くらい増えていますね。」

 

細野:「AmazonのECサイトではDVD・Blu-rayや関連グッズなども扱っているので、メディアミックス系のタイトルには親和性があるのかなと感じました。」

 

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※ 2017年11月、「ガールズ&パンツァー 最終章」の劇場公開に合わせて実施したAmazon.co.jpのキャンペーン「ガルパン祭り」。期間中、ガールズ&パンツァーのアプリをダウンロードした方を対象にAmazonコインを無料でプレゼント。同時にガールズ&パンツァーのDVDBlu-ray購入者や、PrimeVideoで「ガールズ&パンツァー 劇場版」を視聴した方にもキャンペーン内容をメール告知することで、ゲームの存在を知らなかったアニメファンの方がプレイをするきっかけに。

 

ー Amazonアプリストアに出してみて、逆に大変だと感じたことやブロッカーになったことはありますか?

板東:「開発で言うと、特にそれほど大きくトラブルになった・大変だったということはないと感じています。実装自体も、開発1ヶ月程度、検証2週間、リリース準備2週間で2ヶ月くらいで終わりました。スムーズに開発検証に入れて、予定通りリリースできたのかなと思います。一応技術側にも突っ込んで聞いてみたんですけど、特段大変には感じなかったとのことです。」

◆今後の展望・Amazonに期待すること

ー 御社の今後の展望をお願いします。

細野:「弊社では、IPを使用したスマートフォンゲームやPCブラウザゲームを中心に開発・運営をしておりますが、今後は今までのビジネスも継続しつつ、コンテンツを製作する側にも力を入れていく予定です。

既に発表されているところで言いますと、『あかねさす少女』というオリジナルタイトルを製作中です。弊社は共同原作権を持ちつつ、ゲームとアニメの両方に出資しています。」

 

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ー 最後に、Amazonアプリストア・またはAmazonに期待することやご要望があれば教えてください。

細野:「まずAmazonアプリストアにガルパンを出したことについては、Amazonコインのキャンペーンや『ガルパン祭り』をやったことで、ユーザーさまが増え、戦車魂の購入も増えたので良かったなと思っています。

Amazon全体で言うと、ゲームだけではなく、動画や漫画、音楽など色んなコンテンツを取り扱っているじゃないですか。去年はDVD・Blu-rayの購入者やPrimeVideoの視聴者にAmazonコインのキャンペーンを告知してもらいましたけど、逆にゲームをプレイすると無料で対象のタイトルの動画がや漫画が見れたり、音楽が聞けたりしても面白いなと思います。

 

Amazonプラットフォームにコンテンツを出すことで、コンテンツが活性化するようなプラットフォームになってくれるとありがたいなと思います。」

 

 

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©GIRLS und PANZER Film Projekt ©戦車道大作戦 実行委員会

 

インタビュー:田中 和之(Amazonアプリストア)
記事執筆・写真撮影:西山 七穂(Amazonアプリストア)

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