スキル内課金


スキル内課金

スキル内課金機能を使用すると、スキル内でプレミアムデジタルコンテンツを販売できます。スキルで商品を販売するには、魅力的で質の高いコンテンツを適切なタイミングでユーザーに提供する必要があります。このセクションでは、スキルで販売する商品を開発する際のベストプラクティスや注意点を説明します。

商品を理解する

既に魅力的なスキルを開発していて、そのスキルにはユーザーが楽しめる無料コンテンツが用意されているのなら、そろそろ販売できるコンテンツを増やすことを検討してもよいかもしれません。このセクションでは、スキルにデジタルコンテンツを追加する方法を説明します。物理的な品物もAmazon Payを使用してスキルから販売することができます。Amazon Payを使用してスキルから物理的な品物を販売する方法の詳細については、Alexaスキル向けAmazon Payの概要を参照してください。

スキルでは、次の3種類のデジタルコンテンツ商品をユーザーに販売できます。

  1. サブスクリプション型:所定の月額料金を支払ってコンテンツやサービスにアクセスします。たとえば、ポッドキャストサービスの場合、すべてのコンテンツチャンネル(スポーツ、ニュース、コメディ)にアクセスできるようになるなどです。ユーザーがキャンセルするまで繰り返し課金できます。
  2. 買い切り型:プレミアム機能を利用するために1度だけ料金を支払い、ユーザーは常にその機能を利用できます。たとえば、トリビアスキルのテーマパックを購入して何度もプレイできます。
  3. 消費型:1度のエクスペリエンスに対し、1度だけ支払います。使用後にそのエクスペリエンスはスキルから削除されます。たとえば、ゲームのヒントやもう一度プレイする追加チャンスなどです。消費型は単体としてもパッケージとしても販売でき、ユーザーが使い切った後に繰り返し購入してもらうこともできます。

購入フローをデザインする

ユーザーが満足する展開を織り込んだ、実に魅力的なスキルが完成しました。次は収益化です。 スキル内で優れた商品を販売するためには、いくつか考慮すべき点があります。

まず、アップセルについて説明します。アップセルとは、販売する商品を宣伝するためにスキルがユーザーに伝えるメッセージのことです。アップセルは、以下の3つの要件を満たす必要があります。

  1. ユーザーがスキルを使う状況や過程と整合性があること。
  2. できるだけ簡潔に商品を説明すること。
  3. なるべく少ない手順でアップセルを完了すること。

たとえば、世界の国々についてのトリビアスキルを開発したとします。ユーザーがすべての無料コンテンツをプレイし、プレイを終えたときに、国鳥と国花に関する新しいゲームパックの買い切り型商品をスキルに提案させることができます。

Alexa: 「すばらしい。 50か国中45か国に正答しました。世界の国々についてより詳しく学びたい場合は、国鳥の拡張パックがお勧めです。詳しく知りたいですか?」




この例をさらに詳しく見てみましょう。

  1. 無料コンテンツをプレイし終えたときに、スキルは 「すばらしい。 50か国中45か国に正答しました」というメッセージを出します。この文言は、スキルを使っている状況とこれから出すアップセルメッセージの両方と整合性があります。
  2. そして、スキルの内容に関連した利用可能な商品を説明します。 「世界の国々についてもっと学びたければ、国鳥の拡張パックがおすすめです」
  3. その後、購入するかどうかをユーザーに決めてもらいます。 「詳しく知りたいですか?」

アップセルは一度に1商品のみ

アップセルメッセージでは、一度に複数の商品を宣伝しないようにしてください。アップセルメッセージは、実際にはAmazonの購入フローの入口であるためです。ユーザーはAmazonを通じて商品を購入し、その後、Amazonの購入フローがユーザーをスキルに戻します。購入フローの入り口(つまりアップセル)を設けたら、商品購入の有無に関わらず、ユーザーが購入フローから自然にスキルに戻ってこれるようにしてください。購入フローはユーザーの購入の有無をスキルに伝えますので、両方のシナリオで購入エクスペリエンスをデザインする必要があります。

たとえば、トリビアスキルで、ユーザーが鳥と花の拡張パックを購入したとします。購入後、ユーザーにスキルに戻ってきてもらう必要がありますが、このタイミングは、拡張パックを使ったプレイの継続を提案するのに最適です。

Alexa: 「国鳥の拡張パックをご購入いただきありがとうございます。 プレイを始めますか?」



購入フロー全体を振り返る

ユーザーエクスペリエンスの全貌をとらえるために、トリビアスキルがどのように購入フローと連動するかを見ていきましょう。

Alexa: 「すばらしい。 50か国中45か国に正答しました。世界の国々についてより詳しく学びたい場合は、国鳥の拡張パックがお勧めです。詳しく知りたいですか?」




ユーザー: 「はい」


Alexa(購入フロー): 「国鳥の拡張パックには、195種類の鳥が含まれています。実在の鳥であったり、架空の鳥であったり、国によってさまざまです。クイズを楽しみながらさらに知識を増やせます。税込299円でのご提供です。購入しますか?」




ユーザー: 「はい」


Alexa: 「国鳥の拡張パックをご購入いただきありがとうございます。 プレイを始めますか?」




すべてのユーザーが商品を購入するわけではないということに注意が必要です。ユーザーが購入フローを終了できるように、わかりやすく簡単な方法を用意してください。ほかのコンテンツパックがある場合は、そちらもユーザーに提案します。ほかにコンテンツがない場合は、セッションを終了する必要があります。たとえば、ユーザーが無料コンテンツをすべてプレイし、今はこれ以上購入する気がない場合は、セッションを終了してください。

Alexa: 「国別クイズゲームで好成績を収めました。世界の国々についてさらに学ぶために、いつでも戻ってきてください。さようなら」



アップセルのタイミングを判断する

アップセルは、ユーザーがスキルを使用している間の自然なタイミングで、ユーザーが話し終えた後に行ってください。アップセルに適したタイミングはいくつかありますが、ユーザーがスキル使用のどの段階にあるか、そしてどのような商品を提供するかによって異なります。以下にアップセルに効果的なタイミングと状況を示します。

  • ユーザーがすべての無料コンテンツを終了したとき
  • ユーザーが買い切り型でプレイし、さらに購入する可能性があるとき
  • ユーザーがこれ以上進むことができず、ヒントや追加のターンなどの消費型の商品を必要としているとき

ユーザーが初めてスキルを使用するときは、アップセルメッセージを出さないでください。ユーザーがスキルに慣れていない時点では、商品の販売よりもスキルをどのように使うかに重点を置いてください。ユーザーはスキルのことをあまり知らないうえ、商品を購入することがエクスペリエンスにどう影響するのかまだよくわからないからです。

同じセッション内でアップセルメッセージを繰り返さないでください。アップセルの回数はユーザーの利用度合に応じて調整します。1商品につきアップセルメッセージを3~5つ作成し、同じメッセージが繰り返されないようにします。ユーザーがうんざりしないように、セッション間にはアップセルメッセージを一切出さないことも検討してください。

複数の商品を紹介する

ユーザーから「何を買えるの?」と聞かれることは、決して珍しくありません。 ユーザーがスキルをいろいろと試している場合もあれば、以前販売していた商品を忘れている場合もあります。この状況は通常のアップセルメッセージを出す場面とは異なり、スキルが提供する複数の商品について話すことができる重要な機会となります。

商品情報を伝える方法はいくつかあります。スキル内で販売している商品が1つだけの場合は、直接アップセルメッセージに進みます。ただし、ユーザーが断ったらそれ以上は繰り返しません。商品が多数ある場合は、一度に1つずつ紹介します。1回のアップセルで扱えるのは、1つの商品のみであるためです。複数の商品についてのアップセルは、「何を買えるの?」といった発話をきっかけしますので、そのような発話を引き出せるようにデザインします。同様に、ユーザーが商品のことを直接質問する(「国旗クイズを買いたい」など)場合は、アップセルなしで購入フローを開始することができます。こうした発話を各商品にマッピングして、アイテムを直接購入できるようにしてください。

以下は、このシナリオのベストプラクティスです。

  • 「買う」、「何を買えるの」、「売っている」、「{item}について詳しく知りたい」などの発話に対応します。
  • サポートが必要なユーザーのために、ヘルプインテントに買物オプションを含めます。たとえば、「クイズをプレイするか、ほかにどんなクイズパックがあるかを質問できます」などです。
  • 複数の商品を販売している場合でも、一度のアップセルで紹介できるのは1つの商品だけです。

たとえば、トリビアゲームでゲームのリピーターに商品を紹介する場合、次のようにアップセルを行います。

Alexa: 「すばらしい、国別クイズゲームに強いですね。国鳥に関する新しいトリビアパックがあります。詳しく知りたいですか?」


ユーザー: 「ほかに何が買える?」


Alexa: 「国旗に関する新しいトリビアパックがあります。詳しく知りたいですか?」


ユーザー: 「いや、ほかにない?」


Alexa: 「国のマスコットに関する新しいトリビアパックがあります。詳しく説明しましょうか?」


ユーザー: 「お願い」



1つのアップセルで紹介できるのは1アイテムだけなので、紹介する商品も一度に1つに絞ります。

商品の種類に応じたアップセルメッセージを作成する

アップセルメッセージは商品の種類に応じて作成し、商品内容を適切に伝えるようにしてください。

サブスクリプション型では、ユーザーが毎月受け取るコンテンツの種類を説明するアップセルメッセージが必要です。最長30日のお試し期間を設け、毎月受け取るコンテンツのサンプルをユーザーに試してもらうこともできます。ただし、その際、対象者は新規申込者のみであることを明示してください。アップセルではサブスクリプションの期間に必ず言及し、ユーザーに毎月何を購入するのかを把握してもらいます。

たとえば、ユーザーは新しい冒険シリーズの「大亀裂」をプレイしたいと望んでいますが、このゲームはサブスクリプションに含まれているとしましょう。

ユーザー: 「『大亀裂』をプレイしたい」


Alexa:「『大亀裂』は宝探しプラスのサブスクリプションでのみご利用できます。サブスクリプションを行うと、毎月、新しい限定版の冒険ゲームをプレイできます。新しく申し込む場合は、無料で体験できます。詳しく知りたいですか?」




買い切り型はより単純なアップセルです。セッションの開始時か終了時に、利用可能なコンテンツについてユーザーに伝えることができます。消費型とは異なり、買い切り型は購入後もユーザーがずっと所有し続けます。そのため、コンテンツを購入したことをユーザーが忘れてしまわないようにヒントを追加する必要もあります。

たとえば、あるゲームをプレイしているユーザーが、新しい冒険ゲームを前回のセッションで購入したことを忘れてしまっているとします。

Alexa: 「宝探しへようこそ。 前回は『深海探査』をプレイしました。 続きをプレイしますか?それとも新しい冒険パックの『大亀裂』を始めますか?」




消費型はユーザーの一時的なニーズに応える効果的な方法です。会話の切れ目に消費型の商品についてユーザーに伝えることができます。ただし、ユーザーが話している間は決して割り込まないように注意してください。途中で割り込むとユーザーの信頼を失います。

たとえば、ユーザーが冒険中に金貨を使い果たしそうになったとしましょう。金貨はプレイに必須ではありませんが、使用するとゲームのペースが速くなります。

Alexa: 「物乞いは秘密を打ち明けそうにありません。金貨を1枚あげると話してくれます。金貨を購入するとプレイがよりスムーズに進行します。詳しく知りたいですか?」




買い切り型やサブスクリプション型同様、消費型でもヒントは非常に役立ちます。ユーザーは自分が消費型をどのくらい持っているか把握していないことがあります。大量に購入した場合は、特に忘れてしまいがちです。たとえば、コインを100枚購入し、残りの枚数を確認したいとします。

ユーザー: 「残りの金貨は何枚?」


Alexa: 「大変です。 あと10枚しか残っていません。もっと購入しますか?」



直接購入かアップセルかを決定する

購入フローには、直接購入とアップセルの2種類があります。直接購入は、通常、ユーザーが商品を指定することで始まります。ユーザーからの「何を買えるの?」という質問や、頻繁に消費型商品を購入する場合などです。直接購入では、購入フローに進む際にユーザーの「はい」という応答確認は必要ありません。

ユーザー: 「ヒントパックが欲しい」


Alexa(購入フロー): 「ヒントパックには好きな時に使えるヒントが10個入っています。税込499円でのご提供です。購入しますか?」


ユーザー: 「はい」


Alexa: 「ヒントパックをご購入いただきありがとうございます。パズルを解くのにヒントを使用しますか?」



しかし、購入はアップセルメッセージに分類されるものがほとんどです。アップセルメッセージを使用する購入では、ユーザーが購入フローの継続に同意する必要があります。アップセルメッセージの購入フローには時間がかかりますが、ユーザーが購入に至るまでのプロセスを明確に理解できるため、より安全な方法と言えます。

Alexa: 「本日のドリンクレシピはお楽しみいただけたでしょうか。もっと楽しみたければ、カクテルレシピの完全版を取得できます。レシピクラブへの参加方法を知りたいですか?」



販売のベストプラクティス

このセクションでは、ユーザーの購入エクスペリエンスが満足いくものになるように、商品販売におけるベストプラクティスを説明します。

関連する商品を販売する

販売する商品は何でもよいわけではありません。関連性がない商品や、ユーザーの興味を引かない商品を勧めるスキルは信頼されません。反対に、必要なときに必要なものを紹介し、不要なときには勧めないスキルは、ユーザーの信頼を得られます。ユーザーが必要としないものや使用できないもの、既に購入しているもの、ニーズに対して過剰なものは、スキル内課金として販売しないでください。

スキル内で販売する商品は、スキルと関連したもの、特にユーザーのスキル使用状況に適したものにしてください。サブスクリプション型の商品を販売する場合は、30日のサブスクリプション期間の間にユーザーを十分惹きつけておけるだけのコンテンツを確保します。買い切り型の商品を販売する場合は、消費型との違いを明確にしてください。たとえば、買い切り型は拡張パックに最適であるのに対し、消費型はゲームのヒントや追加のライフなどのちょっとした使用に適しています。

適切な商品を適切な時に提供する

ユーザーがスキルを使用する状況の中で、適切なタイミングに適切な商品を提供してください。うまくいけば、ユーザーにとって楽しいエクスペリエンスになります。同じ商品を同じやり方で繰り返し出し続けると、スキルへの信頼が失われ、スキルを使わなくなってしまうこともあります。

アップセルで購入につなげる

アップセルメッセージでは、購入がすぐに行われるという誤解をユーザーに与えないようにしてください。アップセルでは、ユーザーが商品の詳細に関心があるかをたずねるだけで、価格情報などの条件は提示しません。実際にトランザクションが処理されるのは購入フローです。Amazonの購入フローで購入条件や価格を聞くまでは、ユーザーは購入に同意しない可能性が高いと言えます。

良い例

Alexa:「...詳しく知りたいですか?

悪い例

Alexa: 「購入しますか

プレミアムコンテンツと無料コンテンツを区別する

商品が有料である場合、その旨を明示してください。アップセルメッセージには無料コンテンツを含めないようにし、魅力的なオプションとしてプレミアムエクスペリエンスを販売するようにします。

たとえば、ユーザーが「アレクサ、ポッドキャストマスターに宇宙についてのポッドキャストをリクエストして」と言ったとします。

良い例

Alexa: 「宇宙に関するポッドキャストには『世界一周旅行』や『宇宙大好き』などがあります。ほかには、プレミアム限定のポッドキャストが3つあります。どれがいいですか?」

ユーザー: 「『ニールの宇宙開拓』をお願い」

悪い例

Alexa: 「そのようなポッドキャストはいくつかあります。『世界一周旅行』、『宇宙大好き』、『ニールの宇宙開拓』を聴くか、ほかのポッドキャストをリクエストすることもできます。どちらがいいですか?」

ユーザー: 「『ニールの宇宙開拓』をお願い」

Alexa: 「すみません、そのコンテンツを聴くにはサブスクリプションが必要です。サブスクリプションの方法を知りたいですか?」

商品内容を具体的に示す

それぞれの商品について、できるだけ明確で状況に関連性のある提案をしてください。ユーザーには、特定の発話を覚えてもらうことや、購入プロセスに遷移してもらうことを強制してはいけません。

良い例

Alexa: 「本日のおすすめは以上ですが、引き続き『野生探検』拡張パックで冒険をお楽しみいただけます。ジャングルトリビアが5回分付いてきます。詳しく知りたいですか?」

悪い例

Alexa: 「このスキルを引き続きお楽しみいただくには、拡張パックを購入する必要があります。詳しく知りたいですか?」

簡潔でわかりやすい言葉を使って、購入する商品の内容をユーザーに伝えます。コンテンツパックとして販売される商品には、多数のアイテムやコンテンツが含まれています。商品説明や商品名の一部に内容を明示してください。タイトルは内容が分かるようなものにしますが、それだけで詳細を説明できたとは考えないでください。

良い例

Alexa: 「本日のおすすめは以上ですが、引き続き『野生探検』拡張パックで冒険をお楽しみいただけます。ジャングルトリビアが5回分付いてきます。詳しく知りたいですか?」

悪い例

Alexa: 「このスキルを引き続きお楽しみいただくには、拡張パックを購入する必要があります。詳しく知りたいですか?」

キャンセルや返金方法を必ず組み込む

購入のキャンセルや返金を希望するユーザーへの対応をスキルに組み込んでください。ユーザーをAlexaアプリに誘導して返金プロセスを完了してもらうことも含まれます。ユーザーはいろいろな言い方で返金をリクエストします。

  • 「アレクサ、宝探しに、洞窟探検を返品したいと伝えて」
  • 「アレクサ、洞窟探検を返品してお金を戻して」
  • 「洞窟探検を返品したい」
  • 「洞窟探検の返金を受けたい」

たとえば、買い切り型の「洞窟探検」を購入したユーザーが返品して返金を求める場合、Alexaがリクエストに対応できるようにします。

ユーザー: 「アレクサ、洞窟探検を返品したい」


Alexa: 「返金については、Alexaアプリにリンクを送信しましたので、そちらで確認してください」



買い切り型と同様に、消費型やサブスクリプション型でも、商品が既に使用されている場合であっても返金できます。サブスクリプション型は返金後に、それ以降の月の自動更新が無効になります。返金の処理方法に関する詳細は、スキルコードにISPのサポートを追加するを参照してください。

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