ユーザーがやりたいことをより早く、簡単に、楽しく実現できるようにしましょう。Alexaとの会話を通じて、ユーザーが心地よくサービスを利用できるようにしてください。
スキルを設計する場合、ユーザーとAlexaの対話の台本を作成しましょう。まずは、すべての対話が順調に進み、ユーザーが必要なものを得られるやり取りにフォーカスし、そのあと、より複雑な部分や意外性のある部分に取り組みましょう。スキルを利用するユーザーにどのような体験をして欲しいか、どのように感じて欲しいかよく検討してください。
目的とユーザーストーリーの設定
最初に人々が何を実現したいかを検討し、その後、あなたのスキルで実現できることとスキルを利用することの利点を決めてください。それから、人々が何を必要としていて何ができるのかについてストーリーを作ってください。その後、台本と対話フローを使ってやり取りの詳細とバリエーションを定めてください。
- スキルの目的と機能を明確にする
- 人々があなたのスキルを役に立ち、理想的だと思うようなシナリオを1つ以上書きだしてください。次の問いに答えてスキルの機能を決定してください:
- スキルの目的は何ですか?人々がそのスキルを使いたいと思う理由は何ですか?
- スキルとやり取りする前後や、やり取りの最中に人々は何をしていますか?
- 人々が、ほかの方法では得られないが、スキルから得られるものは何ですか?
- ユーザーストーリーを明確にする
- スキルの目的と機能に基づいて、個別のステップとアクションを決定してください。
- そのスキルで、ユーザーは何ができて、何ができませんか?
- ユーザーが利用できる情報は何ですか?
- ユーザーはどのようにしてスキルを起動できますか?
- スキルの目的に直接関係するのはどの機能ですか?
- 他の媒体から取得すべき情報はありますか?例えば、ウェブサイトやモバイルアプリから取得すべき情報はありますか?
台本の作成
映画や芝居のように台本にユーザーとAlexaの会話を書き出してください。これは会話がどのようなフローで行われるかを決定する良いやり方です。台本を使うと、あなたがまだ想定していなかったようなシチュエーションを考えることができます。
台本を書く際、次のことを考慮してください:
- やり取りを簡潔にする。
- 書き言葉ではなく話し言葉で書く。
- フレーズの繰り返しを避ける。
- ユーザーが情報を提供すべき箇所を示す。
- 何をすべきか、何が起こるかについてユーザーの知識を前提にしない。
- 選択肢は明確に示す。
- 一般的に一度に提示する選択肢は多くても3つまでにする。
- ユーザーに求める情報は一度に1つにする。
台本の例
アレクサ、パラゴン投資信託を開いて。
パラゴン投資信託へようこそ。ポートフォリオの最新情報かセキュリティ情報を提供できます。どちらにしますか?
ポートフォリオの最新情報。
本日あなたのポートフォリオは0.27%増加しています。合計で32,200円です。詳細を聞きますか?
はい。
クリスタルクリーナー社は0.35%上昇し、総額で16,500円の利益が出ました。 (0.5秒の間) ピザバーン社は0.21%上昇し、総額で15,700円の利益が出ました。 (0.5秒の間) そして、ベルズボート社は1.41%上昇し、総額で27,680円の利益が出ました。 (0.5秒の間) ほかのポートフォリオの詳細も聞きますか?
いえ、いいです。
ほかにご用件はありますか?
いいえ、大丈夫です。
承知いたしました。ご利用ありがとうございました。
アレクサ、パラゴン投資信託に私の今日の投資状況を聞いて。
本日あなたのポートフォリオは0.27%増加しています。合計で32,200円です。詳細を聞きますか?
うん。
クリスタルクリーナー社は0.35%上昇し、総額で16,503円の利益が出ました。 (0.5秒の間) ピザバーン社は0.21%上昇し、総額で15,700円の利益が出ました。 (0.5秒の間) そして、ベルズボート社は1.41%上昇し、総額で27,680円の利益が出ました。 (0.5秒の間) ほかのポートフォリオの詳細も聞きますか?
いいえ。
承知しました。ご利用ありがとうございました。
対話フローの作成
簡潔な台本だけでは人々とあなたスキルの実際の対話を十分に表現することはできません。ユーザーはより長く話すかもしれないし、より短く話すかもしれません。また、あなたが想像しなかったようなことを話すかもしれません。次に紹介する方法で台本を拡充し、ユーザーが目的達成のために発話するであろう様々な言い回しに対応できるようにしてください:
- 終了までの最短ルートの書き出し
- 通常、最短ルートとなるのはユーザーがすべての情報とスロットを一度に発話し、必要であればアカウントリンキングが完了しており、その他の条件が一度のスキル起動で満たされる場合です。
- 別のルートによる意思決定フローの書き出し
- 要求を実現させるために必要な情報が一部、ユーザーの発話に含まれていないこともあります。対話フローの中に分岐したルートを作り、それらのルート内でユーザーの決定を促すようにしてください。
- システムロジックがバックグラウンドで実行すべき処理の書き出し
- 例えば新規ユーザーか既存ユーザーかの判定処理など、システムがバックグラウンドで実行すべき処理を書き出してください。判定結果によってユーザーがたどるフローは異なるでしょう。
- ユーザーヘルプの書き出し
- ヘルプに含めるべきなのはユーザーがそのスキルで出来ることについての明確な説明です。スキルの複雑さに応じて、シンプルな1種類のヘルプを提供すべきか、状況に応じた多様なヘルプを提供すべきか決まるでしょう。
- アカウントリンキングプロセスの書き出し(必要な場合のみ)
- アカウントリンキングに必要な情報を決定してください。アカウントリンキングが完了していない場合、スキルがどのように応答すべきかについても対話フロー内で定義する必要があります。
スキル構築のための準備
台本と詳細な対話フローができたら、スキルが実行する処理と、その処理を実行させる際のユーザーによる発話内容について設計しましょう。
- インテントの決定
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インテントはあなたのスキルが実行可能な特定の物事を指します。例えば旅行プランニングのスキルは、PlanATrip(旅行の計画)やBookTheTrip(旅行の予約)、Stop(停止)、Cancel(キャンセル)、Help(ヘルプ)の5つのインテントを持つでしょう。
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台本や対話フローに沿ったインテント一覧の作成手順については、ユーザーによる発話を参照してください。
- 発話の特定
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発話として、ユーザーがインテントを実現する際に発するであろう単語やフレーズ、文章の網羅的な一覧を用意しましょう。例えば、PlanATrip(旅行の計画)インテントを実行したいユーザーは「来週金曜日の旅行プランを立てて」や「富士山へのハイキング旅行を計画して」と発話するかもしれません。
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発話内容の特定方法についてはユーザーによる発話を参照してください。