Alexaスキルでユーザーのリマインダーを設定、管理できる、リマインダーAPIがこのほど使用できるようになりました。このAPIは、Alexaでサポートされているすべての国・地域で使用できます。
リマインダー機能は、日々の様々なイベントやタスクを忘れないようにするためになくてはならないものになってきています。今回Alexaスキルからリマインダーを操作できるようになり、よりエンゲージメントの高いスキルをお客様に届けることができるようになりました。たとえば、リマインダーAPIでユーザーをアクティブにサポートしている米国のKAYAKスキルという旅行関連スキルがあります。KAYAKのチーフサイエンティストのMatthias Kellerは「リマインダーAPIを使用すると、状況を知りたいフライトが到着すると、すぐに通知を受け取ることができます。フライトの到着時刻は変更されることもありますが、変更に柔軟に対応して、修正後の正しい到着時刻にリマインダーを送信できるため、ユーザーエクスペリエンスがとても向上しました」と話します。
リマインダーAPIを使用しない場合、必要な情報を得るには、適切なスキルを適切な時刻に忘れずに呼び出さなければなりませんでした。リマインダーAPIを使ったスキルでは、ユーザーがスキルを有効にし、このスキルに対してリマインダーへのアクセス許可を与えることで、スキルからユーザーのリマインダーを操作できるようになります。このAPIが使用できるようになったことで、スキル開発者はユーザーに、これまでにない、新しいユーザー体験を提供できるようになりました。たとえば、重要な顧客との会議予約、トレーニング講座、レストラン予約、うっかり忘れてしまって無断キャンセルしてしまうとキャンセル料が発生するようなイベントを忘れないようにリマインダーを送信するようなスキルが挙げられます。
日本企業のエムティーアイは、リマインダーAPIを使用して、決められた時刻に薬を飲むのを忘れないようにすることに特化した新しいスキルCARADA 声でおくすり記録を作成しました。 このスキルでは、リマインダーを設定すると、毎日指定時刻にAlexaが「おはようございます。朝のおくすりは飲みましたか?」などと声で教えてくれるので、薬の飲み忘れを防ぐことができます。外出時でも、Alexaアプリの通知をONに設定していれば、スマホで通知を受け取ることができます。また、ユーザーが3日間連続して服薬記録をしなかった場合、Alexaがユーザーの体調を心配するメッセージを伝えます。エムティーアイ システムアーキテクト部のエンジニア、葛馬凌氏は「日本では慢性疾患患者の服薬中断率が問題になっています。私たちのサービスでは、『ユーザーに服薬を記録してもらうこと』以上に、『ユーザーに服薬を継続してもらうこと』が課題となっていました。そのためには、ユーザーに Alexa 側からお知らせする機能が必要でした。リマインダーAPIは我々のニーズを解決し、飲み忘れを防止する機能を提供することができました」と話します。
スキルからリマインダーを設定するには、ユーザーが不要なリマインダーを受け取らないように、2つの段階でユーザーの許可を得る必要があります。1つ目は、リマインダーへの読み取り/書き込み全般に関するアクセスの許可で、ユーザーがスキルを有効した際、許可、非許可の確認が求められます。2つ目は、個別のリマインダーを設定するたびに行う確認で、リマインダーを新規に設定する際には毎回必ず、ユーザーに明示的に許可を求める必要があります。
米国のNHL(ナショナルホッケーリーグ)の公式スキルが、リマインダー実装のよい例です。このスキルでは、リマインダーの詳細を明確に説明し、ユーザーの許可を求めています。NHLのデジタルディレクター、Chris Fosterは「NHL公式スキルは、新しいリマインダーAPIを利用して、お気に入りのチームの試合開始30分前にリマインダーを設定できます。NHL公式スキルにこの機能が追加されたことで、シーズン中毎晩ホッケーファンにパーソナライズされた情報を提供できるようになりました」と話します。
リマインダー機能を追加するには、Alexa開発者ポータルでリマインダーAPIをスキルに組み込みます。英国のTvguide.co.ukのCEO Chetan Damaniと、CTO Vytas Kanclerisは、リマインダーAPIを簡単に自社のスキルに追加できたと言います。「見たい番組があれば、番組が始まる数分前に通知を受け取るようリマインダーをセットするだけです。開発チームによると、実装はとても簡単だったそうです。公開されたら、利用率も大きく伸びるでしょうし、ユーザーエクスペリエンスも向上すると期待しています」
リマインダーAPIの使用については、テクニカルドキュメントをご覧ください。