ここでは、スキルの認識率を向上させるためのサンプル発話、そしてスロット値の定義の仕方を紹介します。 サンプル発話、スロット値に関しては、 こちら を参照してください。

1. ビルトインインテントを優先的に使う

ビルトインインテントを優先的に使うことで、発話の認識を向上させることができます。 例えば、スキルのセッションを終わりたい時に使う言葉「ストップ」や「とめて」、スキルの機能について聞きたい時に使う言葉「使い方を教えて」や「ヘルプ」などは、すでにビルトインインテントによりカバーされています。

利用できるビルトインインテントの一覧は、 こちら をご参照ください。

ビルトインインテントでカバーされている機能をカスタムインテントとして設定している場合、該当するビルトインインテントと入れ替えることでスキルの成功率を高めることができます。

改善前：
ChuushiIntent　　　    ストップ
ChuushiIntent　　　    とめて
ChuushiIntent　　　    もうやだ
SetsumeiIntent　　     使い方を教えて
SetsumeiIntent　　     説明してよ

改善後：
AMAZON.StopIntent　　　ストップ
AMAZON.StopIntent　　　とめて
*AMAZON.StopIntent　　 もうやだ
AMAZON.HelpIntent　　　使い方を教えて
*AMAZON.HelpIntent　　 説明してよ

ビルトインインテントに含まれていないサンプル発話であっても、ビルトインインテントの拡張として定義することが可能です。 上記の「もうやだ」や「説明してよ」などのサンプル発話は、現状ビルトインインテントに含まれていません。 しかしながら、ビルトインインテントの拡張として設定することで、これらのサンプル発話でもビルトインインテントを呼び出すことができます。

2. サンプル発話に呼び出しフレーズを含めないようにする

スキルの呼び出しフレーズ（呼び出し名＋起動フレーズ）がサンプル発話の中にあると、誤ってスキルが再起動してしまう恐れがあります。 サンプル発話に呼び出しフレーズが含まれている場合は、削除してください。

スキルの呼び出し名：今日の星座占い

改善前：
UranaiIntent　　　今日の星座占いを開いて 今日の運勢
UranaiIntent　　　今日の星座占いを開いて {seiza} の運勢は
UranaiIntent　　　今日の星座占いをスタート 今日の {seiza} の運勢
UranaiIntent　　　今日の星座占いをスタート
UranaiIntent　　　今日の星座占い
UranaiIntent　　　{seiza} の運勢を教えて

改善後：
UranaiIntent　　　今日の運勢
UranaiIntent　　　{seiza} の運勢は
UranaiIntent　　　今日の {seiza} の運勢
UranaiIntent　　　{seiza} の運勢を教えて

改善前では、スキルの呼び出し名「今日の星座占い」と起動フレーズ「を開いて」や「をスタート」がサンプル発話の中に含まれています。 また、呼び出し名のみのサンプル発話も、スキルを誤作動させる可能性がある為、削除することをおすすめします。

3. サンプル発話にある「終了して」などの重複をなくす

ユーザーがスキルとのセッションを完全に終了する際に用いるフレーズ「終了」「終了して」「終わり」は、すでにアレクサに設定されています。AMAZON.StopIntent や AMAZON.CancelIntent の拡張、またはスキル終了用のカスタムインテントにこれらのフレーズを定義している場合は、削除してください。

AMAZON.CancelIntent　　　キャンセル
*AMAZON.CancelIntent　　　終了して
AMAZON.CancelIntent　　　もういいよ

改善後：
AMAZON.CancelIntent　　　キャンセル
AMAZON.CancelIntent　　　もういいよ

上記の例で確認できるように、改善前では「終了して」が AMAZON.CancelIntent と重複して定義されています。 このように「終了」「終了して」「終わり」を削除することにより、期待した動作に導くことができます。

4. スロットのみのサンプル発話を別インテントに分ける

スロットのみのサンプル発話は、同じインテント内の他のサンプル発話とは別に、独自のインテントを設けることで成功率を高めることができます。

改善前：
AnswerIntent           {number} 番
AnswerIntent           {number} 番かな
AnswerIntent           {number} 番だ
*AnswerIntent          {number} 
AnswerIntent           {number} かな
AnswerIntent           {number} だと思う

改善後：
AnswerIntent           {number} 番
AnswerIntent           {number} 番かな
AnswerIntent           {number} 番だ
AnswerIntent           {number} かな
AnswerIntent           {number} だと思う
*AnswerSlotOnlyIntent  {number} 

上記の改善後のように、AnswerSlotOnlyIntentという独自のインテントを作成し、AnswerIntentと区別することにより、スキルとユーザーのインタラクションの精度を高めることができます。

5. カスタムスロット値に多様な言い回しを加える

多様な言い回しをカスタムスロット値に追加することで、スキルがより高い確率でユーザーのリクエストに応えられるようになります。

カスタムスロットタイプ: room

改善前：
room　　　リビングルーム, キッチン, バスルーム

改善後：
room　　　リビングルーム,リビング, 居間, キッチン, 台所, 厨房, バスルーム, 浴室, 風呂場, お風呂, 風呂

改善前では、カスタムスロットタイプ「room」に「リビングルーム」と「キッチン」「バスルーム」しか定義されていません。 それぞれの異なる言い回し「リビング」や「台所」「風呂場」などを追加することで、スキルが該当の値をより高い確率で認識することができます。

6. 誤字・脱字がないようにする

サンプル発話やスロット値に誤りがあると、ユーザーのリクエストが正しく認識されません。

改善前：
ShitumonIntent　　　{doubutu} について
ShitumonIntent　　　{doubutu} について*期待
ShitumonIntent　　　{doubutu} のことが知りたい
ShitumonIntent　　　{doubutu} をお願い

doubutu	猿, シマウマ, クジラ, *ペギン

改善後：
ShitumonIntent　　　{doubutu} について
ShitumonIntent　　　{doubutu} について*聞きたい
ShitumonIntent　　　{doubutu} のことが知りたい
ShitumonIntent　　　{doubutu} をお願い

doubutu	猿, シマウマ, クジラ, *ペンギン

改善前では「聞きたい」が「期待」と誤って定義されているので、ユーザーが「シマウマについて聞きたい」とリクエストしても、スキルが正常に認識しない恐れがあります。 同様に、改善前では「ペンギン」が認識されない可能性が高いです。 スキルを申請する前に、誤字や脱字がないよう、サンプル発話やスロット値の確認をお願いいたします。