確かな信頼を得るには



確かな信頼を得るには

ユーザーエンゲージメントは信頼があってこそ得られるものです。ユーザーとの間にしっかりと信頼関係を築くことで、スキルやデバイスをいつも使ってくれるユーザー層を獲得できます。そこからさらに多くのユーザーがAlexaを信頼してくれるという好循環も生まれます。対話の良し悪しは信頼関係に影響します。対話がうまくいかないと、ユーザーの関心度や満足度が下がり、ひいては低い評価につながりかねません。このセクションでは、ユーザーの信頼を得る対話と信頼を失う対話について説明します。

信頼を失う対話

不快感を与えるコンテンツ

一部のユーザーが不快なリクエストをすることは避けられず、スキルでは適切に対応しなければなりません。ユーザーが何を言うかを管理することはできませんし、扱いに注意を要する話題や不適切な話題を求めるユーザーを避けて通ることもできません。スキルに不快なジョークなどを含めることはできますが、ユーザーが驚いて使わなくなることもあり得ます。不快な表現や扱いに注意を要する表現の定義は国、地域、個人によって異なります。コンテンツを翻訳またはローカライズする際は慎重に対処してください。

扱いに注意を要する話題
音声エクスペリエンスは、スキルコンテンツに対するユーザーの期待を裏切るものであってはなりません。そして、ユーザーは求めるコンテンツを明示的に伝える必要があります。たとえば、成人向け以外のスキルでは、性的な単語を含んでいなくても、性的な意味合いを持つジョークは避けてください。成人向けのコンテンツや不敬な表現を含むスキルを開発している場合は、ユーザーが誤って呼び出す可能性がありますので、スキルを呼び出してすぐにはこうしたコンテンツが出てこないようにしてください。

卑語や蔑称
ユーザーの発話によってAlexaが卑語や蔑称を含む応答をすることになる場合は、ユーザーを再プロンプトに誘導するか、Alexaに「返答を控えます」などと丁寧に応答させてください。

性や医学に関するコンテンツ
Alexaは医師ではないため、処置や診断を助言することはできません。この種のリクエストには真摯に対応する必要があります。ユーモアを交えた応答は一切しないでください。代わりに、主観を含まずに事実のみを応答します。これは、ユーザーの身体イメージ、性自認、性的嗜好、障がいの具体的表現、または性的表現と受け取られるユーザーのリクエストに対しても同様です。

政治と宗教
イデオロギー、地域、文化の対立と関連がある話題や、気分を害させる話題をユーザーが持ち出した場合、各話題に応じて慎重に対応する必要があります。

アート
名前や題名に不敬な表現を含むアート(音楽、本、歌、映画など)を参照する際は注意してください。アーティスト名、作品の引用、アーティストや作品に関する記事にも不敬な表現が含まれる可能性があります。

ユーザーが求めていないコンテンツ

意図的でなかったとしても、ユーザーがリクエストしているタスクに関係のない情報を提供したり、製品名やブランド名に言及したりすることは避けてください。ユーザーが、自分のリクエストよりもビジネス上のニーズを優先した販促活動だと受け取る可能性があり、信頼や信用を失ってしまうことにつながります。

望まない広告
開発したスキルや他の関連スキルで商品を宣伝することは可能ですが、スキルのコンテキストから外れる商品を宣伝しないように注意してください。ユーザーが望んでいない購入を提案することは控えます。たとえば、ユーザーが購入を断った商品を何度も提案することは控えてください。Alexaを通じた商品の販売について詳しくは、スキル内課金の優れたカスタマーエクスペリエンスのデザインのお勧めを行う方法セクションを参照してください。

意図的ではないプロモーションと二次的なタスク
ユーザーのニーズを先回りしたメッセージ、機能についてのお知らせ、ひねったジョークなどを使って、ユーザーの求めるタスクに一味加えたくなることがあります。開発者の意図が全体的なエクスペリエンスの向上にあったとしても、ユーザーはそのメッセージを押し付けがましい広告や不要なプロモーションと受け取る場合があります。タスクや商品を提案する場合は、スキルの使用目的との関連性をユーザーに伝えてください。

子ども向けスキルでの広告やプロモーション
子ども向けスキルには独自のルールと規制があります。たとえば、米連邦取引委員会(FTC)のCOPPA Rule(英語)では、広告などの望まないコンテンツから子どもを保護しています。子ども向けスキルに関するAlexaのポリシーの詳細については、Alexaスキルのポリシーのテストを参照してください。

期待に応えていない

Alexaは提供すると約束したタスクやアイテムを必ず提供しなければなりません。

要求されたタスクを完了しない
Alexaがまず優先すべきは、ユーザーのリクエストに応えることです。ユーザーのリクエストに関係のないメッセージを提供することではありません。Alexaはすべてのアクションを確認する必要はなく、たとえば、ユーザーがスキルの停止や終了をリクエストしたら、スキルは確認せずにセッションを終了します。停止や終了の許可を求めることはありません。ただし、ゲームで大幅なランクアップチャンスを逃す場合など、差し迫った理由があればこの限りではありません。

不要なアカウントリンクをユーザーに求める
スキルは、ユーザーがアカウントをリンクしなくても、できるだけ多くのコンテンツをユーザーに提供する必要があります。ちょっとしたタスクを実行するだけなのにアカウントリンクを求められると、ユーザーはそのスキルを使わず、別の手段を選ぶかもしれません。シンプルなタスクを実行するのにアカウントリンクを通じて追加データを提供しなければならないようなスキルは、ユーザーの信頼を失う可能性があります。アカウントリンクで提供された追加データは、なるべくユーザーの手間を減らし、ユーザーを満足させるために活用します。まだアカウントをリンクしていないユーザーに対しても、その期待に応え、価値を提供します。

技術上、機能上の制約

技術や機能が必ずしもユーザーの期待に応えられるとは限りません。スキルをデザインする際は、ユーザーが求める機能を予測し、ユーザーデータを調べてヘルププロンプトや優先メカニズムが必要かどうかを判断します。

技術上の制約
ユーザーがAlexaに「『クラシック』というアーティストの曲をかけて」とリクエストしたとします。 ところが、Alexaは「クラシック」というジャンルの曲をかけ続けます。 このような問題に対してフィードバックがあった場合、すぐに変更を行い、ユーザーへの影響が大きい問題に対処できるようにします。

設定とプライバシー
個人情報や扱いに注意を要するコンテンツは、ユーザーの同意なく読み上げたり表示したりしないでください。たとえば、パスワードやセキュリティPINをAlexaが復唱したり、銀行口座情報をデバイス画面に表示しないようにします。

スキルの機能で位置情報データが必要であれば、そのデータにアクセスする権限をユーザーに求めることができます。ユーザーが権限付与を拒否した場合や、データを入力していなかった場合は、代替機能を提供したり、別の方法でデータを収集したりします。たとえば、郵便番号を質問して、その近辺の店を見つけます。

頻繁に発生するエラー
エラーや遅延はユーザーの信頼に影響する場合があります。音声エクスペリエンスは、エラーの発生が予測される場面に対処できるようにデザインしてください。そうしないと、問題を悪化させるような対話をデザインしてしまう恐れがあります。

信頼を得るためのガイドライン

プロンプトは十分に検討を重ねたうえで記述すると、信頼を得られます。

  • 率直かつ有用であること
  • エラーに関して明確な情報を提供すること
  • リスクが高いタスクには確認を求めること
  • 一貫性とコンテキストを保つこと

リスクが高い場面では確認を行う

明示的な確認

明示的な確認が必要な場面では、ユーザーが口頭で承認しないと次に進めません。会話にステップを1つ追加することになりますが、金銭的な影響、データ損失、ゲームの進捗状況の喪失といった重大な結果を招くエラーを防止できます。つまり、セーフティネットの役割を果たします。

良い例

ユーザー: 「アレクサ、マイ銀行で私の当座預金口座から私の普通預金口座に40万円振り替えて」

Alexa: 「当座預金口座から普通預金口座への40万円の振り替えでよろしいですか?」

悪い例

「アレクサ、マイ銀行で私の当座預金口座から私の普通預金口座に40万円振り替えて」

「わかりました」

暗黙的な確認

暗黙的な確認が必要な場面では、ユーザーが話したことを復唱するだけで、それについての確認をユーザーに求めません。ユーザーは対話を止めてミスを正すアクションを取ることができます。ミスが発生する確率は低く、失敗の影響は軽微です。

良い例

ユーザー: 「アレクサ、トリッププランナーで出発日を6月9日に設定して」

Alexa: 「わかりました。出発日は6月9日ですね。帰る日はいつにしますか?」

悪い例

ユーザー: 「アレクサ、トリッププランナーで出発日を6月9日に設定して」

Alexa: 「6月9日でよろしいですか?」

コンテキストの確認

この確認によって、スキルがコンテキストを理解したこと、スキルのワークフローの次のステップに進むことをユーザーに知らせます。発話を明示的に復唱することはありませんが、Alexaが正しく理解したことを次の応答でほのめかします。この確認は、発生の確率が低くエラーの影響も軽微なペースの速い会話に使用します。

良い例

Alexa: 「カテゴリーを選んでください。 人、場所、動物のどれにしますか?」

ユーザー: 「動物」

Alexa: 「最初の質問です。アメリカで唯一の有袋類は何でしょう?」

悪い例

Alexa: 「カテゴリーを選んでください。 人、場所、動物のどれにしますか?」

ユーザー: 「動物」

Alexa: 「動物のカテゴリーが選択されました。最初の質問です。アメリカで唯一の有袋類は何でしょう?」

親しみやすい口語表現を使う

どんなユーザーでも理解できる親しみやすい言葉を使い、専門用語を使わないようにします。

良い例

ユーザー: 「アレクサ、アニマルサウンズでサファリラジオをかけて」

Alexa: 「そのラジオ局は今放送していません」

悪い例

ユーザー: 「アレクサ、アニマルサウンズでサファリラジオをかけて」

Alexa: 「すみません。サファリラジオ局をかけられません。アニマルサウンズのサーバーと接続を確立できませんでした」

不確実な約束をしない

既存の機能や将来の機能について誤った期待感を抱かせないようにします。たとえば、「まだ」という言葉は、実際にはサポートされる予定のない機能が、いつかサポートされるかもしれないという含みを持たせることになってしまいます。機能に制約がある場合はユーザーに率直にそう伝えて、今できることについて知らせるようにしてください。

良い例

ユーザー: 「アレクサ、マイヘルスプロで今月の平均摂取カロリーを調べて」

Alexa: 「月別のカロリーを追跡することはできませんが、昨日と今日の摂取カロリーを知らせるか、食事を食事日記に記録することはできます。どれがいいですか?」

悪い例

ユーザー: 「アレクサ、マイヘルスプロで今月の平均摂取カロリーを調べて」

Alexa: 「すみません。まだそれはまだできませんが、常に学習しています」

信頼できる視覚要素をデザインする

音声デザインと同様に、ユーザーの信頼とエンゲージメントを得るためには、視覚要素のデザインにもユーザーが安心して操作できる一貫性と信頼性が不可欠です。

視覚要素デザインでの注意事項

  • 進行中のやり取りに関係のないタスクや画面は表示しないでください。
  • 個人的なメッセージや予定などの個人情報を、権限を求めることなく、または役立つ機能を提供したりすることなく表示しないでください。
  • タスクの完了に直接関係のない情報は、アップグレードを促す勧誘だとみなされる可能性がありますので、画面に表示しないでください。
  • 視覚応答のエラーメッセージでユーザーに商品を販売しようとしないでください。

視覚要素の表示ガイドライン

  • 価格、アラームとタイマー、着信についての情報を表示します。情報は、ユーザーがすぐわかるように配置してください。
  • Alexaが応えられる内容に合った期待値を設定します。たとえば、タップできそうな視覚要素を表示するなら、ユーザーがタップできるようにしてください。
  • ユーザーの望む対話方法を受け入れます。音声で開始された対話には音声で応答します。タッチで操作を始めたら視覚的に応答してください。
  • 音声をそのまま表示するだけではなく、視覚要素によって音声の応答をどう補完し、充実させるかという点を考慮します。耳で聞くより目で見るほうがわかりやすい内容や、耳で聞くだけでは覚えられない内容は、視覚要素によって補足することを検討しましょう。 また、ユーザーは表示を見ないかもしれない点にも注意が必要です。重要な情報は、音声での応答が原則となります。


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