スキルの種類について
新しいスキルを作成する場合の最初のステップは、スキルによって何を実行するかを決めることです。実行する動作によって、スキルとAlexaサービスとの統合方法や、何を開発する必要があるかが決まります。Alexa Skills Kitではさまざまなタイプのスキルの作成をサポートしています。
- スキルのモデル
- カスタム対話モデル
- スマートホームスキル(プリビルドモデル)
- フラッシュブリーフィングスキル(プリビルドモデル)
- ビデオスキル(プリビルドモデル)
- 音楽スキル(プリビルドモデル)
- リストスキル
- 次のトピック: ユーザーによるスキルとの対話
- 関連リンク
スキルのモデル
すべてのスキルには対話モデルが用意されており、このモデルによりスキルが処理できるリクエストと、このリクエストを呼び出すためのユーザーの言葉を決定します。このモデルは、カスタムモデルを使用して独自に定義できます。Alexa Skills Kitには、処理可能なリクエストと発話があらかじめ定義されたプリビルドモデルも用意されています。
カスタム対話モデル
スキルの機能を細部にわたって指定するには、カスタム対話モデルを使用してスキルを作成します。こうして作成したスキルは、カスタムスキルと呼ばれます。
カスタムスキルでは、次を定義します。
- スキルで処理できるリクエスト。これは、インテントとして定義します。たとえば、スキルでは以下のような処理を行えます。
- 潮汐情報の調査
- ピザの注文
- タクシーの手配
- ワードパズルや雑学などのゲーム
- その他のあらゆる機能
- これらのリクエストを行う(呼び出す)ためにユーザーが話す語句。これが対話モデルで、ユーザーがスキルとやり取りするための音声ユーザーインターフェースとなります。次のようなものになります。
- 「神戸の満潮を調べて」(このフレーズを
TideRequest
インテントにマッピングします) - 「Lサイズのペパロニピザを注文して」(このフレーズを
OrderPizza
インテントにマッピングします) - 「車を呼んで」(このフレーズを
OrderCar
インテントにマッピングします)
- 「神戸の満潮を調べて」(このフレーズを
-
ユーザーに提供する、呼び出し可能な表示とタッチによる対話。画面付きのAlexa搭載デバイスは画面表示やタッチ対話に対応しているため、音声、画面、タッチによる対話を組み合わせたスキルを作成できます。また、画面機能をサポートしないスキルを作成することも可能です。
- Alexaが使用する名前はスキルを識別するものであり、呼び出し名と呼ばれます。ユーザーはこの名前を使用してリクエストを行います。たとえば、潮汐情報を調べるスキルには「潮汐情報」という名前を付けます。
つまり、ユーザーは次のように話しかけることができます。
ユーザー:潮汐情報で神戸の満潮を調べて
Alexaはこのリクエストを理解し、TideRequest
インテントを潮汐情報スキルのサービスに送信します。
リクエストを実現するコードを作成し、このリクエストをユーザーが呼び出せるように対話モデルで適切なデータを提供すれば、どのようなリクエストでもカスタムスキルで処理できます。カスタムスキルは、作成できるスキルの中で最も柔軟性が高い反面、対話モデルを作成しなければならないため最も複雑なスキルでもあります。
スマートホームスキル(プリビルドモデル)
カメラ、照明、鍵、サーモスタット、スマートTVなどのスマートホームデバイスを制御するスキルを作成する場合、スマートホームプリビルドモデルを使用します。このモデルでは、制御できるスキル機能の幅が制限されています。ただ、音声ユーザーインターフェースを独自に作成する必要がないため、開発が簡単です。また、これらのスキルではエンドユーザーは呼び出し名を覚える必要がなく、「アレクサ、リビングの照明をつけて」などのようにリクエストを行えるため、呼び出しも簡単です。
この種類のスキルでは、スマートホームスキルAPIで以下を定義します。
- スキルで処理できるリクエスト。こうしたリクエストは、デバイスディレクティブと呼ばれます。たとえば次のようなものがあります。
- つける/消す
- 温度を上げる/下げる
- 照明を暗くする/明るくする
- ドアに鍵をかける
- テレビのチャンネルを変える
- スマートホームカメラのライブビデオストリーミングをEcho ShowまたはFire TVで見る
- これらのリクエストを行う(呼び出す)ためにユーザーが話す語句。例:
- 「リビングの照明を消して」
- 「温度を2度上げて」
- 「リビングの照明を20%まで暗くして」
- 「裏口に鍵をかけて」
- 「チャンネルをNHKに変えて」
- 「玄関のカメラを見せて」
開発では、特定のディレクティブに対するスキルの応答方法を定義します。たとえば、「照明をつけて」ディレクティブをスキルが受け取ったときに照明をつけるコードを作成します。作成したコードは、AWS Lambda関数としてホストします。スマートホームスキルAPIで構築したスキルが応答できるのは、このAPIでサポートされているリクエスト(デバイスディレクティブ)に限られることに注意してください。
フラッシュブリーフィングスキル(プリビルドモデル)
フラッシュブリーフィングスキルは、ユーザーのフラッシュニュースにコンテンツを提供する唯一の方法です。
この種類のスキルでは、フラッシュブリーフィングスキルAPIで次を定義します。
- これらのリクエストを行う(呼び出す)ためにユーザーが話す語句。例:
- 「フラッシュニュースを聞かせて」
- 「ニュースを教えて」
開発者は次を定義します。
- フラッシュブリーフィングスキルの名前、説明、画像。これらは、作成したスキルがスキルストアでユーザーに選ばれやすくするためのものです。
- フラッシュブリーフィングスキルの1つまたは複数のコンテンツフィード。これらのフィードには、ユーザーに聞かせるオーディオコンテンツや、Alexaがユーザーに読み聞かせるテキストコンテンツを含めることができます。
ビデオスキル(プリビルドモデル)
ビデオスキルでは、TV番組や映画などのビデオコンテンツを提供できます。
この種類のスキルでは、ビデオスキルAPIで以下を定義します。
- これらのリクエストを行う(呼び出す)ためにユーザーが話す語句。例:
- 「『七人の侍』を再生して」
- 「チャンネル4に変えて」
開発者は次を定義します。
- ビデオスキルの名前、説明、画像。これらは、作成したスキルがスキルストアでユーザーに選ばれやすくするためのものです。
- ビデオコンテンツの再生と検索やビデオコンテンツの検索結果の表示方法など、スキルで処理できるリクエスト。
音楽スキル(プリビルドモデル)
音楽スキルでは、楽曲、プレイリスト、ラジオ局などのオーディオコンテンツをAlexaユーザーに提供できます。この種類のスキルでは、音楽スキルAPIにより、オーディオコンテンツのリクエストや制御のためにユーザーが話す語句(発話)が処理されて、スキルに送信するリクエストに変換されます。作成するスキルコード(AWS Lambda関数)では、これらのリクエストを処理して適切に応答することで、Alexa搭載デバイスで再生するオーディオコンテンツを返します。
リストスキル
リストスキルは、スキルサービスでリストイベントを使いやすくするためのものです。このスキルは、Alexaで上位レベルの発話のリストに加えられた変更を理解し、対応できます。
リストスキルの作成は、ASK CLI(Alexa Skills Kitコマンドラインインターフェース)を使用して行います。
リストスキルには、リストスキルの機能だけでなく、カスタムスキルに対応したあらゆる機能を搭載可能なカスタムコンポーネントをオプションで含めることができます。
リストスキルのリストコンポーネントについては、リストAPIで以下を定義します。
リストイベントのトリガーとなるインテントとユーザーアクション。次に例を示します。
- リストへの項目の追加
- リストの項目の削除
- リストの項目の更新
開発者は次を定義します。
- リストイベントを受信するエンドポイント
- リストイベントを処理して応答するハンドラー
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関連リンク
作成する内容が決まったら、次のいずれかで開始します。